「◯◯ではこうだった」と言われたら…。
情報源のチェックは必ずする
時にお客さんと「見解の相違」があります。
その案件に対する僕の考えと、それに対するお客さんの考えが違うとドキッとしますし自分が間違えてるのかなと思ってしまう時もあります。
「どこで聞いたの?」と聞きたくなるくらい物知りの人もいますが、正直なところ勘違いされてる方が多いかなという印象です。これまでの経験上では。
最近では、特に多かったのがコロナの持続化給付金。
個人で100万円、法人で200万円、申請するだけで貰えたので、どうにかして給付の要件を満たしたかったのでしょう。中には不正受給をしたりその手口を教えて分け前を要求したり…というのはニュースにもなりました。
僕の所にも来ました。
そもそも申告をせずに細々と事業をしていて、持続化給付金の要件を満たす為に、毎年不動産所得で確定申告していた父の申告を修正申告して事業をやっていたということにして、依頼者はそこの従業員ということにする。
ということを「コレで通ると聞いた」と言うのです。
この時はどこの誰が良いと言ったのかは聞きませんでした。それ以前に個人的に嫌な予感しかしなかったので即座に断りました(法人の顧問契約も解除しました)。
契約解除した後も「通ると聞いてるからやってくれ」と連絡があり、他を当たるようにきっぱり断りましたが、これほど自信満々に言われると内心こちらが間違ってるのかな?と思ったりもします。
もし僕が間違っていたのなら僕の落ち度なのでそれでお客さんを失うのは自業自得ですが、そうでなかった場合はリスクが高すぎます。
この類の案件は少しでも相手に有利なアドバイスをしようものなら「税理士が良いと言った」と言うでしょう。
最悪の場合、「税理士が不正受給の手引きをした」となるわけです。業務停止では済まないかも知れません。
最近、やけに詳しいなぁと思って情報源を聞いてみると、大半がYouTubeとネット検索と答えます。
コレが一番危険です。
「検索」と「調べる」は違う。
ネット検索はすぐに答え(のようなもの)が見つかるので便利です。僕も多用しています。
ですが鵜呑みにはしません。
その情報の発信元が信用できる所なのか、国税庁のサイトや条文と照らし合わせて確かにそうなのか、その辺を注意しています。
やけに世界の裏情勢(陰謀論とも)に詳しい人がいますが、例外なくYouTubeからの受け売りです。
確か、この冬はコロナ自粛の引きこもりで買い占めが起こって食料の調達ができなくなるから缶詰をたくさんストックしておけということでしたが…冬が終わろうとしている今、どうでしょう?
そういうことです。
YouTubeという時点で疑うべきです。
そもそもYouTuberは見られる事で収入を得たい人たちなので「バズる」ことが最も重要で配信しているわけです。
見る方はタダだからデマであってもそれも一つのエンターテイメントとして、喉元過ぎれば熱さを忘れます。
にも関わらず「情報統制されてて真実は報道されない」と盲目的に信じてさも自分は世界を知っているかのように錯覚する。これが「情弱」です。
食料難はコロナではなく「作り過ぎ」「棄て過ぎ」の現代人の生活の仕組みが引き起こします。
肉食ブームで肉牛の生産を増やし過ぎたために必要なエサ(トウモロコシ)が膨大な量になり、それを賄うために畑を広げ過ぎて地下水を汲み上げ過ぎて…世界中で水が枯渇し始めています。
コレはアメリカの事例ですが、南アフリカではワインを日本や中国に大量輸出するためにブドウ畑を増やし過ぎてダムが干上がっていて、ワイナリーが湖の所有権を買い占めるという事態に陥っています。
水が無くなると生産ができなくなる。そうなると食料自給率が極めて低い日本は食料の輸入が滞り、値段が高騰する。その結果、食べ物が買えなくなる。ということです。
今後の懸念は自分の代だけのお金欲しさに水源がある場所を所有している人が外国人にその土地を安易に売ってしまうこと。
それをやったら日本でありながら日本人が外国人から水を買う…そんな奴隷のような生活になりかねません。
といったリスクがあるにも関わらず、大量生産、大量消費でゴミも増え過ぎて、日本も行き場のないゴミが溢れているのが現状です。
「断捨離」などと言えば聞こえは良いですが、簡単に捨ててしまうような程度の物を買った自分の落ち度です。高くても長く使えそうなものを買う、1シーズンの流行にながされて買わないといった丁寧な生き方をすれば良いわけです(僕は気に入った物しか買わないので捨ててもいい服なんてありません)。
そういったものを根本から考え直そうよというのが「グレートリセット」の一部なのですが、どうもYouTube信者は貨幣価値が無くなることをグレートリセットだと思っているようです。
グレートリセットに全く興味が無いので全貌を知っているわけではありませんが、お金がらみのグレートリセットというのは、これまでの株主第一主義をやめてステークホルダー(従業員、取引先、顧客、地域社会など)のためにやっていこうよというものです。
金の亡者どもが牛耳る世界ではなく「緑の宇宙船、地球号」を大事にしようよというところでしょうか。
YouTubeよりマンガを読め
世界の流れを知りたいのならYouTubeはダメでしょう。れっきとした経済学者や研究者が発信しているのなら良いでしょうが、今どきYouTuberはお金欲しさに煽ってるだけですので。
そんなもので世界を知れるほど地球は狭くありませんし人間の英知は単純ではありません。
やはり確かな経歴を持つ人が書いている本で学ぶべきでしょう(本の最後の方に著者の経歴は大抵書かれています)。
最近ではそういう難しい本を分かりやすくマンガ化したものもあります。手始めにそういうマンガから入ってみても良いでしょう。
まとめ
「検索」はあくまで入口。その際は「調べる」「学ぶ」という姿勢が大切。そのプロセスを経て「知る」ということになる。
楽をして検索止まりで知った気になっているのは情弱。
そういう人間からの依頼は爆弾案件とも言える。相手の利益のためにこちらは爆弾を持たされる羽目になるので要注意。