所得の帰属「所得 誰の」
コロナの影響で条件付きで4/16日後も期限内申告となることになりました。
今日来た案件ですが…
母名義の不動産を子が管理して賃貸している場合
というものです。
建物は母の持ち物として登記されているのですが、家賃は息子の口座に入金されているため息子の所得として申告しているとの事。
この手のことは「所得の帰属」「実質所得者課税の原則」で検索すると似たようなものが出てきます。
ただ、実質所得者と聞くと結局どっちの所得なの?と迷う人もいるかと。
- 建物は母の名義だけど、息子の口座に入るんだから「実質」的に息子の所得なんじゃないの?
- 建物が母の名義なんだから息子が管理してても母の収入でしょ。
こんな具合に。
正解はその資産の「真実の権利者」
国税庁の通達(税務署サイドの見解)によると、「資産から生ずる収益を享受する者がだれであるかは、その収益の基因となる資産の真実の権利者がだれであるかにより判定すべきであるが、それが明らかでない場合には、その資産の名義者が真実の権利者であるものと推定する」とあります。
この後半の「名義者」がやや混乱を招くようにも感じますが、「資産の真実の権利者」という所に着目しましょう。
要は、今回の案件では息子が管理していても母の所得として申告することになります。
贈与税が発生する?
今日この話を聞いて「おや?」と思ったことが。
母の名義の建物を貸して得る家賃は母の所得。でも家賃は管理している息子の口座に入るようにしている。
それ、贈与じゃないの?
母の所得になるお金が息子の口座に入っているということは、母から息子にお金をあげたとも捉えられます。
そうなると贈与税の申告もしなければなりません。
今回のケースについては、息子が不動産所得として申告・納税しているので、税務署サイドとしては気付いてないか大目に見てくれているのか…といったところでしょうか。
そうであっても、贈与の懸念がありますので、通達にある以上はその通りにした方が良いでしょう。
贈与税の納付という無駄なリスクを避けるためにも。