ひとり税理士のリスク
リスクには3種類ある
僕が「ひとり税理士」としてやっていこうと決めたきっかけをくれたのがこの本の著者の井ノ上陽一税理士です。
ひとり税理士の師である井ノ上先生の今回の新刊によれば、ひとりでやっていく事について3種類、レベル1〜3のリスクがあるとのこと。
ひとつは「万が一」のリスク。
僕自身も常々考えている事ですが、最悪のリスク、つまり命が尽きること。
これは例外なく誰にでもいつかは来るものです。備えておかなければなりません。
次に「自分が動けなくなる」リスク。
命は落とさずとも、病気や怪我で入院するなど。その間、仕事ができなくなる恐れがあります。でも申告期限は迫ってくるわけです。
病室にパソコンを持ち込んで仕事ができる状態なら幸運ですが、そうとは限りません。人を雇っていないので代わりはいません。
お客さんに迷惑をかけないよう、最悪、スポットで助けてくれる税理士仲間を探しておく必要もあります。
この辺のこともひとりでやると決めた時から当然考えています。
今回の井ノ上先生の本を読んで一番印象に残ったのは、それらよりも小さな「レベル1のリスク」です。
小さく点在しているリスクを侮っていると後々取り返しのつかないことになる。ひとり税理士に慣れ始めていたところにグサッときました。
要は油断大敵
心身健康で普通に仕事ができる状態のとき。そんな時こそ気を付けおかなければいけないことがいくつもあります。
- 仕事が少ないと食べていけない
- 仕事が多いと時間に追われてクオリティが下がる
- 監視されることもないので遊んでしまう
- 自己研鑽をおろそかにする
- 業務禁止、損害賠償
- コロナ禍
など、いくらもリスクはあります。
今すぐ顕在化するものではありませんので放置しがちなところがリスクになるわけです。
井ノ上先生はこれらのリスク回避には「習慣」が大事だと仰っています。超が付くストイックな方だからこその徹底的なリスクヘッジには脱帽です。
僕はとても井ノ上先生の足元にも及びませんが、こうしてダラダラズラズラとブログを書いているのも井ノ上先生の影響によるものです。
毎日ではありませんがなるべく書く、何か書く。そういう習慣を身に付けるためです。
思い返せば税理士受験生時代も「合格」というたった一つの目的のためだけに「毎日大原で勉強する」ということを習慣にしていました。試験後のオフを除いた11ヶ月、335日の内300日は軽く大原に行っていました(行けるように工夫しました)。
そうすると本番が近付いてプレッシャーを感じるようになっても「あれだけやったんだ!大丈夫!」と自信が付きます。結果が不合格でも「あれだけやってダメなら仕方ない。また頑張ろう」と、前向きでいられます。
時々、正直この人は受からないな…という人がいますが、そういう人は上記のような気概が全く感じられません。
それほどまでに「習慣」は大事です。「習慣が変われば人生が変わる」みたいな言葉もあったような。
特に税理士のような専門職の場合は自己研鑽の習慣は死守しなければなりません。
地獄のような税理士試験や丁稚の下積み期間を終えて、燃え尽き症候群とも開放感ともとれるフリーダム感で、あれだけ勉強していたのがピタッと止まることもあります。
目の前の仕事ができているのでそれで良しとなってしまいます。
そこで学びを止めないよう、習慣化させる。習慣になるとやらない事が気持ち悪くなります。
嘘か誠か「21日続けると習慣になる」と聞いた事があります。いきなり21日間も続けるのは大変ですから、まず3日。
その3日を達成感できたら、もうあと3日。
そんな感じでできたら良いのかなと(最初の3日が続かないようではそもそも向いてないかも知れませんので)。