サステナブルなスニーカー?
ここ最近、今まで当たり前だったものが否定されて新しい価値観が台頭してきたなぁと感じます。
その最たるものはエネルギー。ガソリンなどの化石燃料をやめて水素や太陽光、風力などクリーンなエネルギーに転換していこうと。
他にも、フォアグラやコピルアクなど動物虐待とも取れるやり方で生産するものを悪とする風潮やさらにその先、天然皮革やハラコをやめてリサイクル素材で靴やバッグなどを作ろうというサステナブル路線。
地球温暖化による異常気象の頻発は人間の活動によるものだとIPCCは決定づけて、「人類への赤信号」と警鐘を鳴らしています。
アマゾンの森林伐採と排ガス・排煙による温室効果ガスの増加が一番の原因と思われますが、そんな状況をどうにかしようと「持続可能性の取り組み」としてこの世からレザースニーカーが消えようとしているのはキツいなぁと。ペットボトルを禁止にすれば良いじゃんかと。
そんなハラコはさておき、一般的なレザーは人間が肉食をする限り革も出てくるということです。
スニーカーにも使われるハラコは「腹子」という字のとおり、胎児の時に死んでしまった子牛の革というのがルーツですが、実際の流通量を考えるとそればかりではなく子牛(カーフ)、子馬(ポニー)の革だったりします。一部、胎児を取り出して作る革素材というのもありますが、動物虐待の観点からやめようという動きも。
レザーすらも否定するとなると、肉や魚など生物を食べる事をやめなければなりませんし、極論、植物だって生きています。
全人類がベジタリアンにならない限り革製品は無くなることはないでしょう。
なのにスニーカーがリサイクル素材に…。スタンスミスはずっと天然皮革で続けましょうよと。行き場のないリサイクル素材の有効利用なのでしょうか。
「サステナブル」と新しい言葉を使って流行らせていますが、個人的には天然皮革のスニーカーが良いなぁと。
リサイクル素材が主流になったら、もしかしたら10年後はレザースニーカーが高値で取り引きされるかもしれません。
adidasのフランス製は状態が良ければ元値の20倍近い値段で取り引きされていますので、そんな感覚で、現行のレザースニーカーが10年後、20年後にヴィンテージと言われるようになる頃にはかなり価値が上がってる…なんてことも。
まぁ、そうなっても売りはしませんが。
実は流行りのナイキが中国製の合成素材で、地味なプーマがルーマニア製や日本製で良い天然皮革を使っていたりします(品番によります)。
学生時代に履いていたハイテクのナイキは全て加水分解して果てましたが、ローテクのプーマやアディダスのスニーカーは今なお現役だったりします。
「足元を見られる」という言葉がありますし、チョットそんなことも考えて靴選びをするのも良いかなと。
もし世の中サステナブル素材ばかりになってしまったら…スニーカー熱は冷めるでしょう。そもそも足は2本しか無いので、アホみたいに沢山スニーカー持っててもゴミを見るような目で「すごいね」と言われるだけですから…。
スニーカーなんて可愛いもので、車もガソリン車を無くしたところで大型化したバッテリーの廃棄という問題もありますし、太陽光発電もパネルに使われている素材とか設置のために山を切り開いて土砂災害に繋がるとか、クリーンに見えて問題児というのも今はまだ多いかなと思います。まだまだこれからでしょう。
買い替えてばかりの使い捨てよりも、古い物を手入れしながら大事に使う。昔の人みたいな生き方こそがサステナブルではないかなと。
そう言ってスニーカーがいっぱいあって物持ち良いことや、20年落ちの車と40年落ちの原付を今なお使い続けていることを正当化しています。