「検討します」とは言わない

好きではない言葉です。なので言わないようにしています。

本当に検討しているのか?

「検討します」というのは便利な言葉で、とりあえず今は答えを出したくない。でも断ると角が立つ。そんな雰囲気の時の逃げ口上にうってつけです。

僕自身は基本的に即断即決なタイプなので、検討するにしてもその場で相手に根掘り葉掘り質問します。

その上で不要なら断りますし、必要ならその場で話を次に進めます。うやむやにしておくのがストレスなので(大金や大人数を動かすなど特殊な場合は別です)。

これまでの経験上、「検討します」と言った人で購入なり契約なりをした人はほとんど見た事がありません。

めんどくさい、本音は嫌、だけど相手との関係上その場で断りづらい。そんなところではないでしょうか。

独立したら更に言わない

独立後、「検討します」と言って逃げない理由は自分が言われたら嫌だからです。

たかだか地方のイチひとり税理士ですが、経営者の端くれ。決断や情報はスピードが大切だと考えています。

決断をズルズルと後回しにするのは夏休みの宿題をギリギリまでやらないような、そんな気持ち悪さを感じるので。

こちらの提案を「検討します」と言って保留されたら僕の中ではその人に次はありません。この言葉とセットで「バタバタしていて…」というのもよく聞きますが、これって自ら時間管理が下手だと宣言しているようで、同じように「できない理由」を探してるだけに感じられるので言わないようにしている言葉です。

検討していただいた結果、話を先に進めようにも時すでに遅しということも過去にはありました。

そういった経験もあって僕は「検討します」と言って先送りにはしません。日頃から方々アンテナを張って色々考えていますので。

やらない理由よりやる理由

価値観の分かれるところなのですが、「検討します」という人の検討とは「やらない理由の検討」ではないかなと。

やる理由の検討だったらその場で根掘り葉掘り聞くわけです。

日頃から考えていれば良いタイミングで情報が舞い込むもの。それなら渡に船といった具合に前向きな検討になります。

一方で未知のことを言われたらそれがどんなものなのか分からないので、真っ先にリスクを懸念します。だから「検討します」と言って間合いをとるわけです。「どうにかして今日のところは決断しないように」という検討です。

こういった決断はチャンスをみすみす逃します。

「幸運の女神には前髪しかない(後ろ髪がない)」という古代ギリシアの言葉があります。そんな女神の姿は想像したくありませんが、それはさておき、紀元前から言われ続けているわけです。

おわりに

今回はDropboxで共有することを提案した際に言われて「うーん」と思ったことをネタにしてみました。

クラウドが発達してさまざまなものが「手間抜き」できるようになっているのですが、まだまだペーパーレスですら抵抗勢力が多いのが地方の現状です。

税理士会の書類ですら未だFAX送信、郵送、持込を求められています。

おそらく「検討している」人が高いところにいるのでしょう…。