税理士試験でゾーンに入る

「ゾーンに入る」というとアスリートを連想します。普段ありえないような集中力と、あらゆる感覚が研ぎ澄まされたような、実力以上の力が出るアレ。

それを税理士試験で一度だけ経験したことがあります。

所得税に合格した年ですが、真っ白な解答用紙に書くべき理論が浮かび上がって見えてくるのです。

後にも先にもその年だけでしたが、まさしく「120%」と言えるほどバッチリ理論が書けました。

ゾーンに入るには?

某バスケット漫画などで「ゾーン」というものを何となく知っている人は多いと思います。極度の緊張状態が秘めた力を開放するようなのですが、つまりそれだけ本気で挑んでいるということです。

ゾーンの入り方を検索してみると、

  • 緊張感を持って取り組む
  • リラックスする
  • ルーティーンを持つ
  • 環境を整える

などと出てきます(https://blog.laf.education/shuuchuuryoku-zone/参照)。

なるほど、思い当たる節はあります。

緊張感という点では、いつも21時の閉館時間というタイムリミットがあったことや、その日のノルマを決めていたので、限られた時間でやり切るために緊張感を持てていたと思います。

本番でも「必ず合格する!」という意識が強かったので、前夜は緊張で胃痛と吐き気が止まらずほとんど寝られませんでした。その時は地獄のような苦しみでしたが、それだけ全力・本気で臨んでいたということです。

リラックスという点は本試験のあの緊張感の中では難しいところもありますが、試験会場に着いてからはこれまでの努力を信じて腹をくくったのと、2時間後に解放されて一杯やるのを妄想して少しリラックスできていたのだと思います。

頑張ってきた自分を信じることがリラックスに繋がるのかなと。

その時は自覚はありませんでしたが、呼吸法がリラックスするのに重要だそうです。腹式呼吸を心掛けると良いといいますが、問題用紙が配られる間目を閉じて深呼吸していたので、今思えばそれがリラックスに繋がっていたのかも知れません。

ルーティーンを持つというのは、スポーツで言えばラグビーの五郎丸さんやバッターボックスに入った時のイチローさんが有名です。

僕はそういうパフォーマンス的なルーティーンはありませんでしたが、使う筆記用具のメーカーや色をずっと同じ物にしていたのがルーティーンだったのかも知れません。

最後の「環境を整える」は、本番でゾーンに入れるようにするために一番大事だと考えます。

環境が整わなければ緊張感や集中力を保つことができませんので。

大原で勉強していた時は、自習室でも電卓を無駄に強く叩いて騒音を撒き散らす人間や、わざとやってるのかというくらいドアの開閉が雑な人間がいたり…「空気読めよ…」とイラッとさせられることが多かったので、自習室を使うことを諦めました。

ロビーの方が場所柄「人がいて喋ってる」ということを受け入れられたので、ロビーの端っこのテーブルでバイノーラルビートとノイズキャンセラーを併用して人の声や雑音をかき消して勉強していました。これは本当に集中できるのでオススメです。

中には「人の声がある方が集中できる」というタイプの人もいるので、とにかく自分に合った気が散らない環境を用意することが肝要です。

おわりに

ゾーンというのは意識して入れるものではありません。

日頃の努力や目標を達成するという強い思い、そういったものが土台となって、本番で極限まで集中した時に発動するものです。

始まった瞬間からゾーンに入ったのではなく、少し時間が経ってから突然書くべき理論が解答用紙に浮かび上がって見えました。しかも何でか活字ではなくヘタクソな自分の字で(笑)

たとえ本試験でゾーンに入れずとも、日々の取り組みを怠らなければ自ずと合格に手が届くもの。

とにもかくにも「税理士になる」という思いは上位10%どころか一位でいましょう。「合格したいなぁ」では既に気持ちで負けています

もし仮に、今年の合格は難しいと思っていても「税理士になる」という思いは断定しましょう。そうすればたとえ今年はダメでも無駄にはなりません。

僕は恥ずかしながら簿記論を18回も受験しましたが「税理士になる」という思いは一度もブレませんでした。

トントン拍子で2〜3科目合格したのに税理士を諦めてしまった人がいる中で、僕みたいな諦めの悪いヤツが税理士になっちゃったケースもある。

気持ちって大事です。

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