目標達成のために棄てるべきもの

異性は合格を遠ざける

昔、官報合格したシングルマザーの方から言われた言葉です。「女は合格を遠ざけるよー」と。その時は僕に彼女はいませんでしたが、その後痛感したものです…。

もちろん、パートナーが合格の妨げになるとは言い切りません。弱い自分、気を遣い過ぎる自分が一番の敗因です。ただ、実体験も含めてそういうこともあり得るなと。

パートナーの献身的な支えでトントン拍子に合格する人もいるかも知れませんが、僕の周りにはいませんでした。

地頭が良ければ効率良くメリハリつけて勉強を進められるのでしょうが、そうでなければ泥臭く地道にコツコツと時間をかけてやるしかありません。僕がそうでした。

クリスマスも仕事に勉強。年末年始の休みも職場に籠って勉強。そんな年を何年も送っていると、そこいらのカップルのようには行きません。僕はそれで当時のパートナーと別れる道を選びました。全ての要求に応えていては合格は無理だと思ったので。

勉強に充てたいなぁと思っても相手をしなければムスッとされるし、午後3時頃にはバイバイして勉強したいなぁと思っていてもズルズル遅くなってしまったり、電話がかかってきたら出なければ後々怒られてしまったり…。

度が過ぎると「足を引っ張られている」と思ってしまって、いい加減にしてくれとケンカになったこともあります。

僕はそういうのが苦手だったので、結婚の願望などは封印して税理士になることだけを考えて過ごしてきたのですが、周りの同志を見ているとそんな僕はマイノリティのようで、税理士を目指している最中でも出会いの場に足繁く通ってみたり、結婚したり、出産したり…という方は多いです。

すごいなぁ、羨ましいなぁと思いますが、それで合格も掴む完全な両立ができている方はやはり少ないなと。

SNSで不合格の報告をしている方は遡ってみると彼女・彼氏と遊んでいる投稿が多かったり、結婚したり、子供ができたり、ちょっと勉強どころではなかったのかなと感じる方が多いように思います。

せっかく身内の金で大学院まで出ておいて税理士を諦めたという人もいて、その人もドロップアウトしたという話と結婚したという話がセットで伝わってきました。

結局は「税理士になる」という意思が確固たるものか否か、ということでしょう。諦めるようではそもそもその程度の意思しかなかった。だから合格ラインにも達しなかったということです(むしろ世帯を持ったら奮起するものと思っていました)。

故、野村監督の言葉に「何かを達成したければ10年を捨てろ」というのがあります。石の上にも3年ではなく10年です。それくらいの覚悟が必要だということです。

5月以降に新車を買うヤツは落ちる

面白い統計ですが、こういものもあります。

税理士を目指す人の中には後継ぎ候補の者もいて、そういう人の中には学費は工面してもらえて時間とお金に余裕がある人もいます。

そういう人が立て続けに5月頃に趣味性の高い車を買っていました。

実力判定公開模試が始まり、直前答練へと進んでいく季節にそんな事にうつつを抜かしていてはいけません。合格することが最重要ならばあと3ヶ月我慢して試験後に買えば良いわけです。

新車が来るソワソワ感、来たら来たで走りに出たくなる衝動もあります。そういったものに負けてしまうようでは、やはりその程度の覚悟ということでしょう。税理士試験は上位1割しか合格できない試験です。生半可な気持ちでは100年受けても受かりません。

こういう人は後継ぎにも関わらず周囲で「彼は合格できないよ」と言われていましたし、うち一人は案の定ドロップアウトしていきました。

こういう人もいる中で、誘惑を振り切って、責任から逃れず、自分に負けなかった人が税理士になるのではないかなと思います。

不合格の傷は誰よりも知っているつもりなので、リア充を追求して心のつじつまを合わせたい気持ちも分かります。

ですが税理士を目指すからには税理士にならないと満たされる事はありませんし報われません。目を逸らしている間に後から来た人間にも追い越されていきます。その時の惨めさたるや…(僕が税理士を目指した頃はまだランドセルを背負っていた子と同じ日に税理士登録しましたし)。

クリスマス感ゼロの仕事場で年末調整業務に追われつつそんな事を感じました。