誠実でいればいつかきっと良いことがある
学生時代、綺麗な薬剤師のお姉さんに言われた言葉です。
当時のバイト先で仲良くしてくれていた正社員のお兄さんの当時の奥さん(数年後に離婚されました)なのですが、顔は覚えていなくても言葉は鮮明に覚えています。
「いつか」があるとは限らないけど…
誠実に…人を踏み台にしたり蹴落としてでも自分は勝ち残る。そんな勝てば官軍の人間にはなりたくないなぁと子供の頃から思っていました。
ケンカもしたくなかったし、目立つようなこともしなかったし、地味に生きていたように思います。
子供の頃は入退院を繰り返していましたし、命の危険に晒されたこともあったのでなおさらだったのでしょう。
そういった経緯もあって運動神経も悪く、存在感も薄い。でも先生のおぼえはめでたく…典型的ないじめられっ子キャラだったわけです。
こちらは何もしてないのに理不尽に攻撃をされる。その理不尽には仕返しをすれば良かったのでしょうが、そこは田中少年。「こんな人間にはなるまい」と反面教師に思うだけでした。
そんな経緯があって誠実でありたい、人の役に立ちたいなどと思い続けて今日に至るわけですが。
いやはやどうして、四十路になっても相変わらず思うのですが、一生懸命にやるほど踏み台にされるというか、気付かぬ所で体よく利用されてて貧乏くじを引かされるというか、なんでかなぁと。
やはり口達者な人間やイケイケドンドンな人間が良い思いをするのかなぁと今でも思います。
容易く契約を取ってきたり、パートナーをコロコロ変えたり、方々で手が早かったり…およそ僕にはできません。
すると、「真面目」「堅物」「物足りない」と言われます。
時には誠実という評価から良くして頂けることもありますが、ごく稀です。
やったもん勝ち、勝てば官軍、個人主義が顕著になってきた今の時代では生きにくく、それもあってひとり税理士という道を選んだというのもあります。
お人好しや正直者が馬鹿を見るというのは昔から言われているので、これからもそうなのでしょう。それでも平気で人を出し抜いたり、裏切ったり、約束を破ったりする…そんな人間にはなりたくないなと。