消えていった人は多かった
18年もの間税理士試験に挑み続けていましたが、その間多くの人を見送りました。
僕が税理士を目指すきっかけを与えてくれた人は僕より10年も早く税理士になりましたし、後から来た人にも追い越されまくったものです。
僕と同じ日に登録した仲間に至っては、僕がこの道に入った時まだランドセルを背負っていました…。
それ以上に、道半ばで辞めていった人の方が多いです。
専門学生として大原に入り、在学中に簿財くらいは合格していて、中には税法も1科目合格していた人もいました。
短期間で半分取り終えていた人でも一般企業に就職して税理士になるのをやめてしまった。
決断は人それぞれなのですが、うだつの上がらない受験生だった僕から見たら「もったいない」の一言です。
中には親や親戚に学費やら生活費やらを10年も無心しておいて諦めた人間もいましたが…。
税理士試験は上位10%しか合格できない、篩にかけられる試験です。
圧倒的に消えていく人の方が多い資格です。
だからこそ価値があるし、反面頭でっかちの無資格の会計事務所職員を生み出してもいるわけですが…。
ともあれ、税理士になれば自分はもちろん、家族の誇りでもあるでしょう。両親に金看板を見せてあげたら記念写真を撮っていましたし、少しの間仏壇に置いていました。
それくらい重みのあるものなんだなと。
受験生の頃はキツいキツいの毎日で「やってる人にしかこの苦しみは伝わらない」とボヤいていたものです。ただ自分一人だけが苦しんでいると思っていました。
よく、「税理士になると世界が変わる」と聞かされてきましたが、今はそれがよく分かります。
プレッシャーから解放されたからなのか、親との会話も増えましたし、趣味を見つけて没頭することもできるようになりました。何より独立した事で理不尽なボスの圧政から解放されて自由に生きていけるようにもなりました。
ここに至るまでは地獄なので、やはり辞めてしまう人が多いのでしょう…。
僕は辞める実力すらなかった(他の何かになれる気がしなかった)という「超」がつくほどのネガティブな性格なので諦め悪くやり続けるしかありませんでした。
もしポジティブな人間だったら4〜5年で見切りをつけて違うことをしていたと思います。
とことんネガティブで生真面目で堅物という人から敬遠されそうな三拍子が揃った割に…という感じです。
消えて行く人の方が多い世界で、僕のような人間でも税理士になれたのだから、やはり「諦めない事」かなと。
どんなことでもそうですが、税理士を目指すに当たっても大事なのは「安西先生」です(分からない人は「安西先生 名言」でググってください)。