参考文献の集め方

この2つが大いに役立ちました。

税法免除のために修士論文を書くとき、参考文献の収集がひとつの壁になります。

税理士試験の世界においては「院免は逃げ」という風潮がありますが(免除を受けた僕自身も最初はそうでした)、税法なら2科目、会計なら1科目、試験に合格した扱いにしてくれるのですから簡単な事ではありません。

試験と比較すると、試験は5月あたりから「地獄」のような日々が始まるのに対し、院免は最低2年間(口頭試問にパスできなければ留年)、毎日が「苦痛」です。

税法ばかりやれば良いのではなく、卒業の単位を取るために税理士試験とは関係ない勉強もたくさんすることになります。

論文を書くだけでなく、講義における発表のためのレジュメやレポート提出、期末テストの勉強などもやらなければなりません。

僕の場合は、院の勉強と簿記論の受験勉強(大原と外部の勉強会)と仕事と計4足のわらじで生活していました(さすがスニーカー100足持ってるだけのことはあります)。

大学院では「院免」の意識を前面に出し過ぎない

教授の中には「院免」の意識しかない人間を嫌う傾向がある方もいらっしゃいます。

院に来る以上、学部の知識は持ってて突然

というスタンスで教授と接する事になるので、難しい経済用語や税法の趣旨などを理解しないとついていけません。

僕の場合、会計学の講義は英語でした(当然、落としました)。

教授にしてみれば、自分が指導した論文で免除が出なかった場合、その後その大学院に対する見方が厳しくなるという噂があるので、当然に厳しくなるのでしょう。

院免も試験と同じところがあり、試験をナメてる人間は論文もナメています。

僕の在学中にも教授曰く、「Aくんは卒業はさせるけど免除は通らないでしょう。Aくんより先に提出するように。」と。そんな事がありました。

長期履修してもしなくてもあまり変わらない

仕事が忙しかったり、思うように論文の執筆が進まなくて長期履修を選択する人がいます。

できる限り2年で終えましょう。

3年に延ばしたところで、3年目の10月くらいにならないとエンジンがかかりません。しかも所詮は修士論文。審査する側から見たら拙いものです。手直ししようと思えばいくらも出てきてしまうので、どんどん深みにはまっていきます。

しっかり区切りをつけるためにも2年で終わらせる努力をしましょう。

そのためにも参考文献は効率よく、新しい版のものを探す必要があります。

効率的な参考文献の集め方

やっと本題に入りますが、最初に掲げた画像のアプリやサイトがおすすめです。

Google Scholar(グーグルスカラー)とCiNii(サイニー)は必須です。

この2つで自分の研究分野の先行研究を探します。

研究論文だったり、書籍だったり、雑誌だったり、色々なものが出てきます。

CiNiiならそれがどこの蔵書かも分かりますし、その場で論文が見れるものもあります。

仮に遠方の大学図書館の蔵書であっても、必要なページのコピーを郵送してもらえるサービスがあります(在籍している大学院の図書館で問い合わせてみてください)。

他にも国立国会図書館や品川区大崎にある税理士会館の図書室は何でも揃っています(コピーを取り寄せて済ませたので行った事はありませんが)。

今はコロナの影響で入場制限をかけている所もありますので、無駄な時間と労力をかけないためにも郵送で済ませられるものは済ませた方がよろしいかと。

他にも、海外との比較をする場合は外国語のスキルが求められます。

OECDの資料はもちろん、各国の国税庁にあたる機関のホームページから資料を集めました(僕の場合は米、英、仏、独)。

外国語のスキルは英検4級しかありません。

とはいえ英和辞典や電子辞書を持ち歩くのは嫌なので、ひたすら翻訳サイトを使いました。

当時は無かったdeepl翻訳。Google翻訳より優秀で、何故もう1年早くリリースされなかったんだと恨めしく思ったものです。

院免は「攻め」だ。

今はそう思っています。

もし官報合格しか頭に無かったら、恐らく今も受験勉強をしていたでしょう。

限りある命の時間がストレス100%の受験の日々に食われていくのは無駄です。

前職の事務所はボスが引退したので、もし院免でなかったら失業者になっていました。共に院に通って同時に登録した仲間は直後に税理士である父親が亡くなる…という事もありました。

また、試験で死にものぐるいの勉強の末に合格した所得税の知識ですら今や陳腐化していて、実際には案件があったら勉強し直して答える…というのが現状です。

もちろん、合格するほど頑張ったので土台は盤石ですが、官報合格であっても税法は3科目しか合格してないわけです。他の税法は改めて勉強していかなければなりません。それが2つ増えるだけのことです。

現場では試験に合格する勉強と実務の勉強の「違うところ」が大事になります。

だったらとっととバッジつけて実務の研修や実務の書籍を読んで「税理士の勉強」をする方が得策です。

税理士になれば官報だろうが院免だろうがお客さんには関係ありません。税理士として、人として、どんなサービスを提供できるのかが問われます(税理士業は先生業ではなくサービス業です)。

受験生活などさっさと終わらせて、税理士人生を充実させた方が生きてて楽しいでしょう(一応、社会的信用度の高さからちやほやしてもらえます)。

頭が良くてトントン拍子に合格できれば良いですが、高校時代に赤点を取っていたような僕は18年も費やして、取り返しのつかないことが多々ありました。

あともう10年、地元に院免があって授業料が払える国立大の大学院があることを知っていたら…。

僕のような後悔をしないよう、願うばかりです。

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