ひとり税理士という生き方
4/1に開業届を提出し、フリーランスの仲間入りをしました。
従業員はもとより専従者(身内)すら使わず、税理士田中ひとりでやっていきます。
なぜ「ひとり」にこだわるか
なにも最初からひとりぼっちでやろうと思っていた訳ではありません。
受験生の頃は早く合格して、上京して、東京で旗揚げして、精鋭部隊の事務所をつくって、ゆくゆくは田中ブランドで全国展開…などと妄想を抱いて、それを励みに勉強していた頃もありました。
なのに何故、一転してひとりにしたかというと…。
僕はいくつかの事務所を渡り歩くのではなく、一ヶ所に16年在籍していました。
自分が長年無資格で働いていて、そこから独立開業したので思う事なのですが、無資格者に目の届かない所で仕事をして欲しくないということです。
目の届かない所とは、お客さんの所でどんな会話をしているか、どのように仕訳をしているかなどです。
僕が所属していた事務所以外でもたびたび聞くのですが、人を雇って多くのお客さんを持つ税理士にありがちなのが、部下が作った申告書にサラッと目を通す程度で間違いに気付かなかったり、通年で見てないから大したアドバイスもせずに高い決算手数料を取る、そもそも税理士が来てくれない、無資格の職員のくせに態度がでかい…不満については枚挙に暇がありません。
もちろん、事務所内で相互チェックなど徹底している所もありますが、それをしてしまうと職員の負担が増え、しかるべき人員を用意しなければなりません。ところが、ひとを増やせば人件費も増え、ボスが儲からないので、実情は慢性的な人手不足で残業や土曜出勤を強いられている職員が圧倒的に多いです。
だから勉強の時間を取れず、税理士を諦める。
挫折する人が増えると、税理士という資格や仕事に魅力が感じられず、新しい税理士が生まれてこない。
世代交代が進まないので、いつまでも考え方が昭和なままの古い税理士がいつまでも残り続けて業界自体のイメージが化石化していく。
こんな所でしょうか。
未だにボスを頂点とした絶対的なカースト制が敷かれているのが現状です。
僕はそれをブッ壊したくてボスに反旗を翻しました。
税理士業は先生業じゃない。接客業です。
僕は「先生」と呼ばれたくありません(呼びたい人にはあえて指摘しませんが)。呼び方は自由です。
先生などと呼ばれるから傲慢になる。税理士は医者とは違います。今のご時世、税理士がいなくても申告できる人はできますので。
人間や動物の病気や怪我を治すように、税理士が会社の病気や怪我(赤字体質だとかコロナショックのような異常事態など)の治療に尽力できて感謝されたなら、その先に「先生」という肩書がついてくるのかも知れませんが。
とにもかくにも、僕は今の税理士のイメージを変える。本当に役立つ税理士を目指して精進していきたいと思っています。