ひたすら自分を追い越していく
税理士試験はモチベーションの維持がすべて
先週、母校の大学で税理士とは何たるやを在校生と話す機会がありました。
彼は大学3年生ながら一年で簿財消の3つを取るという逸材。簿記論に18年かかった自分に話すことなんかないよと思っていたのですが、彼なりにも悩みがあるのだそうで。
税法が変わると理論暗記がうまくいかなかったり、そもそもどの税法にしようか迷っていたり、まだ税理士という仕事がどんなものか分かっていなくて将来どうしたいという事も考えつかないということでした。
受験ではどんなに結果を出していても、まだまだ二十歳そこらの若者なんだなぁと。僕の大学生時代(税理士を志す前)のぐうたらな様子を赤裸々に話してベタ褒めしたりもしたのですが。
今年はちょっと受験(法人税、国徴)が大変そうに見受けられました。
合格は通過点と思ってその先を考えた方がいい
あくまで僕が見てきた感想ですが、トントン拍子に短期間で合格を積み重ねる人ほど先の事を考えていません。
「とにかく早く受験を終わらせる」と目の前の事に物凄く集中します。
この集中力こそ短期合格の秘訣なのだと思いますが、誰もがこのようにできるわけではありません。本人の努力以外にも経済的、時間的に他者の助け(犠牲)を伴うので。
働かず勉強に集中できる環境がある人にこの傾向が強いように感じます。だからこそのプレッシャーがその集中力を生むのかなと。
ただ、いざリーチがかかった、税理士登録できた、その後「あれ?」と思うような末路を辿る人がいました。
せっかく官報合格したのに実務が肌に合わず会計業界から離れていった人、合格してから実務が始まるのでベテランの無資格者との折り合いが良くない、そんな人を見ました。
一方で僕のように長い年月をかける人も多くいます。むしろこっちの方が多いのではないでしょうか。
「明けない夜は無いなんて綺麗事だ」と、ひたすら人生のトンネルの出口を探し続けます。
10年やって1科目も取れず去って行った人、3科目くらい取ったところで給料も良くなって税理士じゃなくてもいいやとなる人、ブラック事務所で試験どころじゃない人、そういう人がいっぱいいます。
どちらのケースでも「どんな税理士になるか」「受験から解放されたら何をしたいか」そういった先のことを考えていたら良かったのではないかなと。
期待する自分になるために今日の自分を追い越す
僕の場合は簿記に合格出来ない自分に猛烈な劣等感を抱えていました。
税理士を志した頃にまだランドセルを背負っていた子にも追い越されたほどです。
そんな環境だったからこそ「絶対税理士になってやる」「税理士になったら稼いでハーレー買ってやる」など、「税理士たる自分像」を誰よりも強く思っていました。
税理士になるのは当たり前。
何回不合格になろうとこれだけは揺るぎませんでした。
普通の人なら簿記論に5回も落ちればやめるでしょう。
やめて別の道という選択肢もあっただろうに18年も続いたのは、税理士として生きていくシナリオが出来上がっていたからです。
結果、今日この日がその通りになっています。
遊びにいくのも出会いを探すのも…一般的にみんなが通る道は通りませんでした。誘惑はいくらもありましたが、スノボやサーフィンもやらなかったし博打もやらない、海外すら一度も行ったことがありません。
「それは今やることじゃない」
先を見ていたからこそ、遊びたい自分、怠けたい自分を踏み台にしてきました。
誘惑に引きずられなかった結果なので後悔はありません。
あの頃遊べなかった分、今は平日も遊べます。あの頃遊んでたやつらは仕事が休みの日ですら家に縛られていて「あの頃は楽しかった」と言っています。
時間は前にしか進まないので振り返る意味がありません。だったら前を見て人生設計をした方が良いわけです。
「未来なんてどうなるか分からない」と言って何もしないのは怠ける為の言い訳で、そう言った途端急激に後退が始まります。
現状維持は後退の始まり
それを知っていたから日々自分にノルマを課し、「今日の自分はカッコ良く1日を生きたか」を尺度にしていました。期待する自分になるために。
まとめ
税理士に限らず何かを手に入れたいのならそれを手にした自分の姿を鮮明に思い描く。オリンピックのボクシングで金メダルを取った村田選手も同じ事を言っていました。
成功者は常に先を見ています。