田中的ゾーンの入り方

そろそろ6月も終わり、いよいよ7月。税理士試験1ヶ月前の月に入ろうとしています。

僕が受験していた頃は7月に有給休暇を全て使って受験勉強に専念していました。とはいえ、5月決算・7月申告の法人があった時もあり、全て休めたわけではありませんが。

SNSでもいよいよ本格的に追い込んでる姿を見かけます。

そんな中で、ある受験生から「弱音を吐かせてください…。」と不安を打ち明けられました。

これまで受験生を一発で元気付けられる鉄板ネタとして「田中は簿記論17回受験したよ。キミはまだ◯回でしょ?」と言うと、みなさん揃って「あ、下には下がいるんだ。」と哀れみ色がやや強めの安堵の表情を浮かべてくれるので、気休めにはなったかなとこちらも安心するのですが…。

緊張のその先に。

「ゾーンに入る」というのがあります。僕は黒子のバスケで初めて知ったのですが、普段と違う凄い自分になる…つまり超サイヤ人化とか、リミッター解除とか、ハイパーモードとかEXAMシステム起動とか、とにかく凄いパワーが出る上達です。

プロのアスリートがよく言うので、スポーツの世界だけかと思ったりもしますが、僕は税理士試験で経験しました。

書くべき理論が答案用紙に浮かび上がって見えてくるのです。

その年、合格することができたのですが、18年間の受験生活の中で一番キツい一年でした。

書かなきゃ覚えられず、よく「努力のしかたを間違えてる」と言われたものです。

静岡は受験会場が無く、前泊で東京に行ったのですが、緊張で猛烈な胃痛と吐き気で文字通り一睡もできませんでした。

胃薬は効かず、食事も喉を通らず、胃の痛みで起きていられない。さらに蕁麻疹まで出る。コンディションは最悪といえます。

なのにそんな年にゾーンに入りました。極度の緊張が引き金になって。

ゾーンの入り方

よく、不安や緊張に潰されそうになっている人へのアドバイスで「平常心で」と言う人がいますが、僕は違うと考えています。

平常心の上に緊張があります。

そして緊張のその先に興奮状態があります。これが「ゾーン」なのではないかなと。

だから、緊張してる人に「普段通りでね!平常心でね!」と言うのは「下がれ!」と言っているわけです。

だから平常心なんか意識しなくていい。

がっつり不安になって緊張して良いんです。緊張しない人はゾーンに行きません。つまり、緊張するということは、その先に行く入り口にいるということです。

そもそも、一生懸命やってきて失敗するわけにはいかないから緊張するのですから。

おわりに

たまに全く緊張しないで合格する人がいますが、そういう人は稀でしょう。僕は真逆で自己肯定感も低い陰キャな豆腐メンタルでしたので人一倍苦労しました。

そんな僕でも税理士になれたので、簿記論を17回も受けてなければ僕より遥かにマシです。応援しています。