コレは経費で落とせるか?

美容院でカットをしていた時、経費で落とせるか質問を受けました。

スポーツカーと服についてです。

見解の相違があるかも知れませんが、条件付きでオッケーです

いつかはコルベット。夢のまた夢ですが。

2ドアのスポーツカーは経費になるの?

以前は2ドアはダメ。社用車にはならない。と言われていました。だから社長は4枚ドアのベンツやBMWに乗っているというケースが多々ありました。

前職のボスは「2ドアだと取引先の人を乗せられない」とよく言っていました。ポルシェはダメ。ベンツにしなさい。と(ポルシェにも4ドアありますが)。

今回の相談も今どき珍しくスポーツカーが好きだという美容院のオーナーさんで、車の買い替えを検討しているとのこと。

2ドアがダメというのはおかしな話で、古い例えですがホンダのシビックは4ドアのハッチバックがタイプRになると2ドアになります。後部座席はちゃんとあるのに。乗り降りは面倒ですが大人が4人バッチリ乗れます。

2シーターのスポーツカーであったとしても、取引先が1人だったら問題なく仕事は成立します。

要はちゃんと仕事で使っているという事実です

取引先の人を乗せないにしても、業務で使っている、通勤で使っている。そういった事実があれば、会社のお金で買っても良いし、減価償却費も経費になります。

ただ、個人事業主の場合には注意が必要です

個人事業主にはプライベートの余地があります。いくら本人が「100%仕事用だよ!」と言っても税務署は認めてくれません。家事按分といってプライベート使用分を抜いた上で経費とすることができます。

あくまで仕事で使うのがメインです。

過去に個人事業主の税務調査で、事務所の固定電話の電話代を100%経費で落としていたら否認されました。常に携帯電話を使っていたのですが「1回くらい自宅にかけたことあるでしょ?」と。まぁ、他で何も出なかったので調査官も必死だったのでしょう。

こんな否認のされ方もあるので、経費になるか否かの自己判断は慎重に行なってください。

服は経費で落とせるの?

美容師さんという仕事柄、服をカラー剤で汚してしまうことが多々あるそうです。お洒落を売りにする仕事なので、自身にマネキンとしての要素もあり、ファッションの流行にも気を遣わなければならないのだそう。

よく社名や名前の刺繍やプリントがされている作業服や制服じゃなければ経費として認められないという話を聞きます。それが美容師さんには不公平だと感じたそうです。

社名入りの制服ならそれをプライベートで着ることは考えにくいのですが、いわゆる私服が制服でもある場合は仕事を終えてそのままその格好で遊びにも行けるわけです。

そうなると個人事業主の美容師さんは全額経費というのは無理です。仕事として着用するのとプライベートで着用する比率などで按分した上で経費にしましょう。これまでの申告で見てきた限りでは50%が安パイ。過度に高級なものはほぼアウト。そんなところです。

そして、あくまで仕事で着る前提であること。仕事時は店名や名前があるバッジなどを付けておきましょう。服が欲しいからとウン十万円も買ってはいけません(買うのは自由ですが税務署に指摘されるのがオチです)。

おわりに

仕事柄、行く先々で「コレって経費で落とせる?」と聞かれるのですが、アウトなことの方が多いです。

それも「同業者の◯◯さんが良いって言った」というもの。これは一番危険です。

たまたま税務署の目をすり抜けただけかもしれません。根拠を押さえず、税金憎し・国憎しで経費にしたら税逃れになって後々痛い目に遭います。

経費になるか否かの判断は税理士かせめて会計事務所で働いている人に聞いてから行いましょう。

税務署は税金のプロです。素人の租税回避テクニックなど秒で見抜きます。