「事務所」を構えるか

独立する時に考えるのが、事務所を構えるかどうかということです。

もしかしたらテナントを借りるのは当たり前なのかも知れませんが、僕は最初迷いました。

住まいの家賃に加えて仕事場の家賃も発生するというコスト負担は開業当初にはなかなか痛いです。しかも人を雇う気もないとなるとなおさら必要性を感じません。

そういった金銭面の迷いがあるわけですが、それ以上に考えたのが「体裁」です。

税理士というとドッカリ事務所を構えて高級車を転がしてパリッとしたスーツに身を包み腕には高級時計。

そんなイメージがまだまだあるようです。

実際にラシーンを見られて「せめてクラウンくらい乗らないと」と言われ、山のてっぺんに建つたけのこがいっぱい生えてくる茶畑に囲まれた小さなアパートを見られて「そんなアパートだと儲かってないように見えてイメージダウンだよ」と言われたことがあります。

気にしませんが(ウソです。ちょっとイラッとしました)。

お洒落な事務所で格好つけてやりたい気持ちもあるにはありますが、見てくれ重視し過ぎてお通帳がカスカス…というのは格好悪いので、「分相応」と「お金をかける場所」を決めています。

もしかしたら「税理士事務所経営者」としては失格かもしれませんが。

分相応というのは少し負け惜しみも含まれていますが、お金をかける場所は明確にしています。ロレックスがあるのにオメガを買うのは我慢できますが、節約と言って夕飯のおかずを一品減らすというのは我慢できません。

実際に、仕事道具(パソコンやソフトウェアなど)、書籍、必要経費(旅費・交際費)にはしっかりお金をかけます。

ひとり税理士ならばテナント家賃(月10〜20万)が無ければその分を自己投資に回せます。もちろん生活費にも。

家賃を毎月払っていたら…しょっちゅうゴルフに行ったり、旧車をいじったり、スニーカーを買ったりといった趣味も続きませんし、既存の会計ソフト(MJS、弥生)に加えてMFクラウドやSTREAMEDを導入するのをためらっていたと思います。

精神的に豊かでなければ仕事のモチベーションにも影響が出ますし、事務所のたたずまいで仕事のクオリティが変わるものでもありません。大事なのは税理士としての手腕や人柄です(このエリアで有名な規模の大きい税理士法人税から移られて来たお客様もいます)。

独立して、仕事を続けていく先に状況の変化などでより広い場所への移転はありますが、最初から背伸びをして事務所を借りる必要もないかなと。

僕は雇われ時代から住んでいた小さなアパートから始まりましたが、来客も対応できていましたし、何の問題もありませんでした。

契約更新時期を機に一部屋多い物件に引っ越しました(テナント借りたと思ってステップアップさせた)が、相変わらず自宅事務所です(駐車場はお客様用も確保しましたが)。

最低2年はこの場所にいますが、目標の「いつかはタワマン」を目指しています。どこまでも自宅事務所派です。

テレワークが発達した今、極論、会わなくても仕事はできます。

お客様に会うにしてもこちらから伺う、ホテルのラウンジやカフェで会う、そういうやり方であれば事務所はいりません。密会をお望みの場合はレンタルオフィス等で秘密は守れるでしょう。万が一の盗聴を恐れるなら移動の車中とか釣り船を借りて洋上で釣り糸垂らしながら話すとか(バッチリ交際費)。極端ですが何かしら手段はあるわけです。

自宅事務所だとサボる…ということもありません。申告に間に合わないと信用を失うので。それに事務所を借りてもサボる時はサボります。

おわりに

事務所テナントの不必要性はあくまで個人の価値観なので、やはり下に見られることはあります。タワマンにはまだ遠く、アパート事務所なので。人は見た目が99%です。

でも高級な物を身につけたところで…というのもありますので、せめて清潔感ある見た目は心掛けています。

年々ヒゲや体毛、頭髪の見方が世知辛くなっているので気を付けていますし、歯医者にも毎月通っています。あとは安過ぎる服は着ない(生産のストーリーも嫌いなので)、靴は汚いままにしない(スニーカーを増やす大義名分)、洗車もサボらない…など。

A型なので自室の片付けはとても苦手なのですが(散らかってても物がある場所は分かってる)、一歩外に出たらシャンとするように心掛けています。

会う人に不快な思いをさせない。を心掛けていれば、自ずと体裁は保てるかなと(単に田中が気に食わないという人は…何かすみません)。

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