お金の流れを知る
先に申し上げておきますが、ブロックパズルに関する特定の誰かを批判するものではなく、あくまで一税理士としての観点です。あしからず。
経理について自主的に勉強された方は一度は見たことがあるかと思います。
売上からもろもろの経費、税金を差し引いて、じゃあ自分の会社はどれくらいお金を使えるのか、という事を把握するためのツールです。
経営コンサルタントがこのブロックパズルを使ってキャッシュ・フロー(お金の流れ)を説明しているようです。
一般化しつつあるものに僕は疑問を感じた
もちろん、これを使ってキャッシュフローコーチングをされている方は他にも資料を使って具体的にコンサルされていると思います。
問題は素人がネットで見てこのブロックパズルだけでお金の流れを判断をすることです。
このブロックパズルをよく見てください。
売上に始まり、もろもろの経費が差し引かれて…利益が残っている状態です。お金ではありません。
これはただの「損益計算書(P/L)」に過ぎません。
税金を差し引いた最終的な利益から、右端の返済や設備投資といった出金(キャッシュ・アウトフロー)が突然出てきます。
利益=お金 ではありません。ここ重要です!
黒字倒産という言葉がある
会社は黒字なのになぜ倒産なのか?
これはキャッシュを持っておらず、会社を存続することができなかった…ということです。
どういうときに黒字倒産になるかというと、
- 黒字だけど借金の返済と利息の支払いに追われてお金が回らなくなった
- 手形の取引ばかりで相手が不渡を起こした
- 現金決済が少なく、売掛金や受取手形などの債権ばかりで回収に時間がかかっている、滞っている
このような時です。利益は出てるのになぜか会社のお金が足りない…そう感じた時は、利益だけでなく債権債務の入出金を洗い直して、固定費やお金が出ていかない費用(減価償却費)などを見直す必要があります。
これがキャッシュ・フローです。
勉強熱心な方から時々質問を受けますが、ほとんどがネットやビジネス本、ひとづてに聞いた程度の知識です。せめて日商簿記の2級くらいの知識は欲しいものです。
長年の経験や感覚を織り混ぜて回せている経営者の方なら良いのですが、ブロックパズルだけの情報で安心してしまうようでは、ハッキリ申し上げまして「素人」「下手の横好き」といったところでしょうか。
キツい言い方をしましたが、それで失敗した人を見てきました。あなたに同じ失敗をして欲しくないのです。とくに今のような世界中が異常じたいとなっている場合では。
せめてFP(ファイナンシャルプランナー)、キャッシュフローコーチという民間資格者。できれば我々税理士や公認会計士を頼りましょう。