20代で生まれた差

前回のブログで同業者どうしでの格差を痛感したことに触れましたが、とある同名の方のサロンで「20代で生まれた差は一生かけても取り返せない」という話に触れました。

20代をゆっくり過ごしてきて30歳にもなってまだ何者にもなれていない人は、その時点で付き合う候補から外されてしまう。そして社会は何者でもない30代にチャンスは与えない。と。

まったくこの御仁は毎度毎度ズバリ突いてきます。

僕も漠然と感じていたけど、うまく言葉に出来なかったこと。たとえ地元の子供の頃からの友達であっても、正直に言うと取捨選択しました。

深夜に電話がかかってきては仕事の愚痴を聞かされたり、どこにも根を張れずに短期間でコロコロ仕事を変えていたり、転職の理由が毎回クビだったり…学生時代のノリから僕はいつの間にか外れて、とにかく未来の事を考えて動いていました。

そしたらいつしか話を合わせるのがめんどくさくなり、共感し合える人の方へ流れて行きました。

もちろん今も自分が切り捨てられないよう必死です。いつも一緒に呑んでくれる税理士仲間も皆僕より歳下で僕よりも多彩な経験をしている。過ぎた時間は取り返せないので、ここから食らいついていくしかないわけです。

学歴なんてのは社会に出ればアクセサリー程度でしかないので挽回することはできるでしょう。しかし、社会人になってから最初の10年。ここでの頑張りが後々の10年、20年でとてつもない差を生み出します。

四十路に入って数年。20代の頃の過ごし方の末路が見えているように感じています。

今から頑張ったってその努力をすでにしている20代、30代の若手の方が更に伸びしろがあるわけです。「若さ」が無敵なのは全てにおいて強みです。

どうにかこうにか39歳でやっと税理士になれた僕も先を行く若手同業者を見ては焦りを感じながら生きています。

自分を優先しよう。

税理士を目指すにあたり、受験に専念した方が良いのか仕事と両立させられるのか相談を受けることがあります。

短期間で確実に結果を出すという覚悟で受験に専念するのは良いでしょう。とはいえ学費や生活費がかかるので、裕福で親の脛を齧れるという恵まれた環境でなければ大抵は働きながらの受験となります。

僕ももれなく働きながら受験をしていましたが、その働く環境が後々の人生を決めます。

時間的にブラック事務所で勉強が出来ないがスキルは身に付くだとか、精神的にブラックな事務所で税理士という仕事自体が嫌になってしまうとか、はたまたとても親身に応援してくれる事務所だとか…。

将来を見据えて事務所選びはちゃんとすることをお勧めします。「自分が辞めたらお客さんやスタッフ、ボスに迷惑がかかるから…」とノーと言えない典型だった僕は精神的・金銭的にブラックな事務所で心を蝕まれながら15年も居座ってしまいました。お局様に新人イビりをされ続け(滞在中後輩が入ることは一度も無かった)、ノイローゼで布団から起き上がれなくなったこともあります。

今こうして税理士という道を選んでいるのは「人様の役に立ちたい」という10代の頃から漠然と思っていたことが根底にあります。

そのために自己都合で辞めるわけにはいかないとパワハラにも耐えてきましたが、今はパワハラを叫べば救いの手が差し伸べられる時代です。

なので自身の目的を達成させることができる選択を常々していけば良いのではないかなと思います。

おわりに

ひとりとはいえ税理士事務所経営者となった今、もっともっと様々な経験をしていたら…と思うことばかりです。

それゆえに経験ある同業者には年齢問わず率先して会いに行き、教えを乞います。

その姿勢を「真面目」「努力家」「偉いね」と言われますが、本当の所は置いていかれないよう、切り捨てられないよう必死なだけです。