法人設立時の失敗

「搾取ッ!搾取ゥゥゥッ!」の忌々しい税理士紹介会社からのダイレクトメールにあった「税理士を探しています」の案件で珍しいものがありました(ウチは税理士紹介会社には一切頼ってません)。

合同会社を設立したのだけれど、決算期を1ヶ月間違えたため急遽申告をしなければならない。というもの。

合同会社なのに?と不思議に思いましたので、ネタも尽きた昨今、それについて触れようと思います。

同じ失敗をした人

実はワタクシ、同じ失敗をしでかしました。

今月、自身の法人を設立したのですが、今後法人成りの案件があるかもしれないので、後学のために自分の会社を実験台にして、司法書士などに丸投げせずにクラウド会計のサービスを使って自分でやってみたのです。

MFクラウドの法人設立は安価かつ簡単に法人設立ができました。

かかった費用は定款作成代5,500円と登記申請する際の印紙6万円だけです(口座とか印鑑などの費用は除く)。

定款もひな形が与えられるので、それを土台に自分なりにカスタマイズすれば良いので楽チンでした。出来上がったらそのPDFをマネーフォワードと提携している行政書士法人に送って電子定款にしてもらうという運びです(電子定款にした方が印紙代が4万円浮くからスニーカーが2足買える)。

ここで注意しなければならないのは、行政書士に送った後で訂正・変更をする場合は別途手数料が発生するということ。送る前にちゃんと見直しましょう。

その見直しを、した「つもり」になっていたので失敗しました。

自分の会社の申告は閑散期にやろうと考えていたので決算月を7月にしたのですが、どういったわけか完成した電子定款には決算月が6月と書かれていました。

そのため法人設立届は決算月を7月として提出したのに、添付した定款は決算月が6月となっているのは何故だ?と税務署と市役所から電話がかかってきました(財務事務所からは何の連絡もない)。

合同会社の決算月はセーフ

幸い、僕は合同会社で法人設立したので無事に7月決算で済ませることができました。

が、当初税務署の職員は「行政書士の印がある定款が全て。電子定款だし記載のとおり6月決算にしてください」と言ってきました。

は?と。

なんで行政書士の印があるってだけで定款が優先されるのでしょうか?仮に100%自力でやって行政書士にも頼んでない定款なら通るのでしょうか?そもそも合同会社なのに。

もちろん僕の不手際なので平謝りしたのですが、合同会社の場合、決算月は絶対的記載事項ではありません

よって決算月の間違いの場合は、「決算月を6月から7月に変更する」という全社員の同意書を用意すれば変更可能です。株式会社のような面倒な定款変更は必要ありません。

ちなみに合同会社の定款の絶対的記載事項というのは以下の6つです。

  • 商号
  • 所在地
  • 事業目的
  • 社員の氏名or名称と住所
  • 全社員が有限責任である旨
  • 社員の出資する目的と出資金額

これらの記載がないとそもそも設立登記ができません。なので「絶対的」な記載事項というわけです。

この他には相対的記載事項と任意的記載事項というものがあって、書いておいた方が会社運営がスムーズになるよね。という会社ルール(相対的記載事項)や、ルールというほどのものでもないけどまぁ定款に書いておこうかという事項(任意的記載事項)を記載します。

今回、僕がやらかした決算月の間違いは「任意的記載事項」に該当するもの。

決算月は登記されないので、変更したからといって法務局に変更登記申請して登録免許税を払って…などということはありません。

先になり述べたように全社員の同意書があればオッケーです。新旧の定款と同意書をセットで保管しておけば何年後か忘れた頃に見ても思い出すでしょう。

「設立」は法務局の領域だからか税務署もそれほど詳しくないようで、その時の管理運営部門の担当官は合同会社の定款の絶対的記載事項や任意的記載事項というものを知りませんでした(僕も知らなかったけど決算月を変えたくなかったから必死で調べた)。

同意書や根拠とした情報源を提示したら受理してくれたので、無事7月決算としてスタートさせることができました。

ここで「税務署なのに知らねぇのかよ?あ?」などと口走ってはいけません。ただのイヤなヤツになってしまいます。相手も人間ですし、こちらの言い分を通したい時ほどヘコヘコしておいた方が良いってもんです(相手に非がある場合でも同じ)。

おわりに

ちょうど同じ時期に同じ失敗をした人が税理士紹介サイトで税理士を探していて、その斡旋メール(毎日複数回来て超ウザい)がたまたま目に付いて「おや?」と思ったわけですが、おそらくこの人も税務署で指摘されたのでしょう。

ただ、これくらいの事は今の時代いくらでも情報が出てきます。

行政書士のホームページや「法人設立のしかた」みたいな本などで良いものがいっぱいあります。

僕自身、これに関しては無知ゆえに失敗したのでかなり勉強しました。

法人設立するくらいだからかなり志があると思うのですが、だったらこういう事も経理の事も学んだ方が断然良いです。

本業部分だけやるのなら平社員と変わりません。社長なのだから感覚的なものだけでなく知識や数字も吸収して欲しいなと思います。

それが出来ている社長の会社は、僕が関与している所を見る限りすべて強い会社です。

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