お問い合わせが来た…が!
国家資格を有していると、嫌だといってもお構いなしに個人情報が晒されます。
ネットだったり、税務署の前の掲示板だったり…まぁ、商売なので自分から進んで暴露している部分もありますが。
そのため、意図しない接触もたびたびあります。
その問い合わせが自分だけに来ているのか、拡散されているのか
今回の問合せ案件は静岡県内の不動産業を営む会社からで、よくある東京や外国からの明らかに胡散臭い案件ではなさそうでした。
自社のホームページもあって、地域に半世紀ほど根差した会社。一見、問題は無さそうな感じです。
それでも違和感を覚えました。
それは「不動産に強い税理士をネットで探していて見つけた」、「自宅の近所だから」という理由です。
あまたの税理士の中から僕を見つけてくれた!うれしい!!とはしゃぎたくなりそうですが、僕のいるエリアには税理士がたくさんいます。しかもこの連絡をよこした方のド近所には市内随一の規模の事務所(友達の奥様が経営している)があります。
加えて、僕のホームページに「不動産に強い」とは一切書いていません。相続と違って財産評価やら遺言やらの手間はありませんので、不動産所得に強いとか弱いとか無く、通常業務です(あったとしても、その相談があったときに覚えてるか記憶が薄れているかくらいでしょう)。
となると、税理士紹介サイトだなと。
そこでは得意分野として掲載されてしまうので、不動産の譲渡くらいほぼ全ての税理士が得意分野にしています。
この時点で「ああ、この人は僕のホームページは見ていないな」と感じました。
お互いのミスマッチを無くすためにホームページを作っているのに。
となると、これは「自分だけではない」と思うわけです。試しに一番近い同業者仲間に聞いてみたら、案の定この会社から電話があったと。
もし仮に僕だけに来た問合せならば会って詳しく話を聞いてみようかなと思いましたが、乱発しているような相手では信頼関係は築けそうにありません(すみません。そういう性分なので…)。
聞いてみた同業者仲間も、同じ問い合わせが僕の所にもあったと知って相手するのをやめると。
あちら様にも事情がおありのことと思いますが、不愉快ですので。
「税理士いないんですか?」と電話を取った方が聞いたところ、「ウチの税理士は不動産に詳しくなくて…」と言ったのだそう。
ん?土木・建築・不動産を一手に担う会社の顧問税理士が不動産の譲渡所得苦手って大丈夫??と、疑いはさらに深くなりました。
おわりに
今回の案件は「今後税務申告のクライアントが現れる可能性がある」と、なんともざっくりした物の言い方でしたので、いくばくかの手数料を払って税理士を抱えて連れまわして土地を買い上げたいといったところでしょう。
「あなたにお願いしたい」というニオイを漂わせておきつつ、方々に接触を試みる。商売としては正攻法なのかもしれませんが、気に入りません。
仮に受けたところで割に合わないか、この会社の言いなりになるか、そんなもんでしょう。
どんな仕事でも独立するといろんな人が寄ってきます。
せっかくしがらみから解放されて己の力で挑戦していける立場を手にしたのに、むざむざと自らしがらみに身を投ずるようなことにないよう、見極めたいものです。