外野がうるさいとき

何かを成そうとしていると例外なくと言っていいほどヤジが飛んでくるものです。

僕も税理士を志したとき、「お前になれるわけない」、「次元が違う」、「もう諦めなよ」、「やっぱ落ちたんだ」…とまぁ色々言われたものです。やってもいない人間から

めんどくさいので適当にあしらっていましたけど。「はいはい、僕はバカなんで」みたいな雰囲気を見せておけば向こうは気をよくして黙ります(笑)

ただ、僕の頃と違って今ではSNSがまためんどくさいことになっているようです。

暇人なのか、かまってちゃんなのか?

制限をかけなければ知らない人にたやすく介入を許してしまうのがSNSの難点。

弱みを見つけるとここぞとばかりにちょっかいを出して喜んでいる輩がいます。

そういう輩はえてして「捨て垢」(ダミーのアカウント)で、言い逃げして喜んでいます。言うなればピンポンダッシュのような感覚です(もっと悪質ですが)。

78億7,500万人分の1の意見が絶対的正義であるかのような謎の上から目線です(と言うと「お前もな」って言ってきたりします)。

僕自身、なかなかの独りよがりな人間なのですが、少なくとも何かを成そうとして闘っている人を否定するような無礼なことはしません。

押し付けがましいアドバイスもしません。

なぜこんな事を書いているのかというと、働きながら税理士を目指している同志が仕事に追われてなかなか勉強時間を確保できず、転職した方が良いのか悩んでいるという投稿がありました。

SNSで経験者にアドバイスを求めていたところ、いかにも捨て垢の人間から「そんな甘い考えでは担当してる客がかわいそう」などという書き込みがあったそうです。

その書き込みをした人が担当先の人ならば分からなくもないですが、そういうことは稀でしょう。

お前が言うなや。と。

どうしても言いたいなら出て来いと。

顔も見えない離れたところから攻撃してくる手口は北の将軍様よりタチが悪いです。そんなことしてるからそんななんだよ!と、何となく見えてくるほどです(人から好かれる人間ならこんなことしないので)。

無関係の人間が何かに挑んでいる人を叩くという行為は贔屓のチームが不甲斐なくてヤジを飛ばすのとは違います(お金を払って応援してくれる客に負け試合を見せるのはプロとして仕事の失敗なのでヤジられても仕方ありません)。

一度切りの人生で何者かになろうと闘っていれば悩むこともあります。

悩むということは、自分の現状に納得していなくてどうにか良くしたい。そういう前向きな思いが根底にあるからで、ネガティブの一言で安易に蓋をして良いものではありません。

そのためイベントごとを我慢したり、友達やパートナーの誘いを我慢したり、さまざまな我慢をしながら闘っているわけです。「何かを目指してるなら当然。我慢しろよ」というのはお門違いです。

やっている人間しかこのつらさは分かりませんし、このつらさを経験したはずの税理士でさえ部下に対して「それがしきたり」、「自分も苦労したんだからお前も苦労しろ」、「税理士目指してるのはお前の勝手。仕事しろ」などと言います。しかも薄給で。そういう税理士の方が多いように感じます。

「給料払ってるんだから働け」は確かに正論ですが、マネジメントとしては最低でしょう。これでは忠誠心が生まれようはずがありません。

人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり。

戦国最強とも言われる軍隊を作った武田信玄の言葉です。400年以上前から「人が大事」と言っています。

これは人を使う立場になった人間にとても大切なことではないかなと。

おわりに

働きながら税理士を目指している受験生はもっと称賛されるべきだと思っています。

資格が無いだけで税理士と同じ仕事をしているし、限りある人生の貴重な時間を受験勉強に捧げています。

言ってみれば命をかけて合格目指して闘っているわけです。

それをやってもいない、途中で投げ出した人間にとやかく言われる筋合いはありません。

税理士であっても、ほとんどの人が体験してきたはずで、そのことは忘れてはいけません。

たとえ自分が不遇の受験生活を送ってきたのだとしても、それはそれ。その時の憎い上司と同類になっても良いのでしょうか?

要は、他人の人生に介入しないというのが肝要です。その人が自分の人生に害を及ぼさないのなら。