本試験1ヶ月前にスランプに陥ったらどうするか
突然解けなくなる簿記論
今年の税理士試験まで1ヶ月を切りました。
受験される方はまさに今、一年で一番苦しい試練の時です。
そんな中でとある方から簿記論がスランプに陥ってしまったと相談を受けました。
くどいようですが簿記論は18回も受験したある意味レジェンド級の私。そういう相談を未だちょくちょく受けます。「アイツが合格してるんだから自分だって!」と思っていただければ。
講師の方々は「総合問題をやりなさい」と言ってきます。とにかく解いて解いて解きまくれと。
僕はそれで全統や直前対策ですら90点以上取れるようになって、絶対の自信を持って本試験に臨みましたが…何回も落ちました。
初見の問題になるとことごとく解けないのです。
いわゆる大原パターン。同じ作問者の問題ばかりだったので、違う人が作った問題文だと違和感があり、うまく解けません。
正面の武装は完璧なのに背後が甘い、びんぼっちゃまのファッションのような感じとでもいいますか。
デキる!と思ってたのに惨敗。まるで桶狭間です。静岡県民だけに。
かたくなに講師を信じていたのですが、僕の場合はなんか他の人といろいろ違ったようです。
常にランキング上位に君臨していた僕が落ちて、一度もランクインしてなかった人が合格する。そんな理不尽(田中目線100%)を何度も体験してきたものです。
その果てに至った考え方が「誰も信じない」という唯我独尊的思考です。
「もうあなたにできるアドバイスはありません」と免許皆伝のお墨付きを得てしまって、内心「えー!」って感じでした。高いお金払ってるんだから合格させてくれよと。
もはや誰も頼れなくなり、質問しても何か変な答えしか返って来ず、万事休すというところでふと頭をよぎったのが個別問題でした。
個別問題をあえてこの時期にやる
本試験の直前、どういう勉強をしたら良いかと何度も講師に相談していたものですが、静岡校はもちろん水道橋校の講師ですら「新しいのはやらなくて良い。とにかく実判以降の総合問題を解き直して下さい」と言われていました。
それで何度も落ちてんねん!と心の中でツッコミつつ、それは絶対違う!自分には合わない!と。
それで始めた個別問題。「今さら?」みたいな目で見られていたのを鮮明に覚えていますが、いざ取り掛かると間違ってばかり。
個別問題はケアレスミスをあぶり出します。
デキると思ってた論点なのに意外にも一発で正解しない。
総合問題は解き方をマスターするのでしょうが個別問題は間違え方を露呈させてくれます。
例えば減価償却の論点を片っ端から解いてみると…スランプの人はけっこう間違えます。
ケアレスミスであろうと間違えるということは理解できていないということです。
1+1=2をケアレスミスですら間違える人はいないでしょう。この程度は100%理解できているので。
どうにも時間が足りないというならテキストの例題でも良いでしょう。
答えの導き出し方が書かれているので、良い復習になります。
できれば違う学校の個別問題を
税理士試験を終えると各校が模範解答を出しますが、学校によって最後の答えが異なったり、合格ボーダーもまちまちです。
それだけ同じ問題に対しても考え方が違うので、総合問題をやってる学校とは別のところの個別問題集を選ぶと良いでしょう。
問題文のつくりが違うので、良い対策になります。
会計人コースで各校の予想問題を解くのも良いのですが、アレは聞いた事もない学校が折れた心をさらに折るような問題を載せてくるので個人的にはオススメしたくありません。
だったらその時間を個別問題にあてた方が良いです。
そしてその個別問題はできればネットスクールのものを。
ネットスクールの個別問題は、問題文は読みやすいのによくもまぁここまで間違わせるなというほどいやらしい…もとい良くできた問題でした。
「デキてたつもり」が「デキる」に変わっていく実感もありました。
一冊すべてを解くのは時期的に大変かも知れませんが、苦手な論点をやるだけでも力が付きます。
おわりに
スランプになるということはこれまで築き上げてきたものが揺らいでるということです。
その揺らぎは土台がもろいから。僕はそういう実感がありました。
家を建てるにも田んぼや沼を埋め立てた所よりも岩盤の地層のところに建てたいでしょう。知識もそれと同じでとにかく基礎を固める。
そうすれば全てが安定するはずです。