税理士は知識が仕入
良い商品を並べなければお客さんに手に取ってもらえない
前職の亡き副所長が生前よく言ってたことです。
税理士業は物販ではないので売ってるものが目に見えません。なので、お客さんが自分でできなくて困っていることを代行したり、専門的な税の知識でより良い道筋を見出したり、そうやって満足感を体感して頂いてお金をもらえる仕事です。
満足感を与えるためには自分が知識やスキルを身に付けて、常に最適解へと導けるようにしなければなりません。
言うのは簡単ですが、実際にはとても難しいことです。
税理士試験の勉強はあんなにできたのに…
税理士受験生の頃、よく仲間同士で話していたのですが、一足先に税理士になった人が「これから一生、勉強し続ける人生かぁ…」とボヤいていた時に、「税理士試験の勉強をこれだけやってきたんだから、それに比べりゃ楽なもんだよ」と言っていたものです。
かく言う僕自身も、ちょうど今頃は一年の有給休暇を全て注ぎ込んで、1日12時間以上勉強し続けてきたものです。
あの頃のような生活はもう二度としたくない。今でも大原に行くとトラウマで気分が悪くなるほどです。
それに比べたら、仕事の後に税法の文献を読んで学ぶことなど造作もない事…のはずなのですが、集中力があまり続かない自分がいます。
明確な目標が無いから…。
当時は「税理士になる」という目標をひたすら追い続けていたので出来たことですが、税理士となった今は正直なところ「案件が来たら勉強する」というケースが多いような気がします。以前、このままじゃイカンと思って同業者に相談してもやはり同じ答えが返ってきました。
そんな中で、冒頭の写真の本ですが、親交のある税理士仲間が執筆していたり、瞬く間に有名になった相続税専門の税理士法人の税理士さんが教えてくれたりしたもの。
こういった方々に話を聞く機会があったのですが、「逆算して勉強する」とのこと。
もちろん、税理士試験も毎年8月半ばに行われるので、そこから逆算して追い込むわけですが、税理士になった後もこれらの方々は「配信する」、「執筆する」といったアクションがあり、その締め切りまでにそれについて学ぶとのこと。
動画配信は…ある程度自分の見てくれにも自信が無ければ出来そうにないなぁと思うのですが、執筆による発信は論文を書くのと似ているなと。
智識だけで頭でっかちにならないように
びっくりしたのですが、「怒る税理士」がいるそうです。
僕の所に来てくれたお客さんも、ミスしたのは税理士側なのに自ら税務署に行ったら「勝手なことをするな!」と恫喝されたと大層御立腹でした。
そこは静岡では有名な税理士法人なだけに、受験時代も優秀な人だっただけに驚いたのですが、一部そういう税理士もいるようです。
怒れる強さが羨ましくもありますが…僕はまず説明して、それでも折り合いがつかないなら契約解除。と、淡々としつつ逃げています。
あくまで客商売。「先生!」と呼ばれてえっへんなんてのはもはや違うかなと。
おわりに
同じ税理士なのに「凄いなぁ」と圧倒させられるような人が都会にはいっぱいいます。一方で、旧態依然としていて税理士会のデフレの原因になっているような人もいます。
誰一人としてラクして税理士になれた人はいないはずです。難関資格なので。
困難を乗り越えて税理士になったわけですから、そのプライドはきちんと持つ。凄いなぁと思ったら一歩でもその人に近付くアクションを起こす。そんな意識が税理士の品格を上げるのではないかなと。
学ぼうとする姿勢は保ち続けたいものです。