独立のデメリット
「自由」は表裏一体
独立してそろそろ半年。自由気ままにやっているので「うらやましい」と言われます。
一方でこのコロナ禍での独立に「大丈夫?」と心配されたりもします。
いやな「お局様」もいなければ理不尽な上司もいない。もっと言えばお客さんだって選べる自由。
しかしその裏では全て自己責任。税理士が赤字ではお客さんに示しがつきませんし、替えがありません。自身に何かあれば仕事ができなくなるリスクも背負わなければなりません。
さらに今の時代、見渡す限り2世、3世です。
新規開業よりも廃業・倒産が多い地方では限りあるパイの奪い合いです。
そんな中での独立は無謀かもしれません。以前「独立すれば最低でも普通のサラリーマンよりは良い生活ができる」と聞きましたが今や都市伝説でしょう(「稼ぎ」という意味では。「時間」、「ストレスの無さ」という意味ではかなり良い生活ができます)。
しっかりとした志が無ければ雇われ税理士が良い
顧客ゼロでの独立は税理士試験と同等以上の困難が待ち受けています。
銀行にお金を借りに行っても貸してくれるのはせいぜい300万〜500万くらい。設備投資や生活費などで半年〜1年で溶けます。
それなら会計事務所に雇われている方が良いでしょう。ブラック事務所でも税理士バッジが付けば少しは給料上がるでしょうし、後継者がいない事務所であれば丸ごと棚ボタもあり得ます(ホワイト事務所なら餞別代わりに担当のお客さんをくれる所もあります(僕は退職金も無い上に金銭を要求されましたが))。
「こうありたいと願う税理士像」「こうしてみたいというやり方」「自由の渇望」そういった強い意志が必要かなと。
それでも独立最高!
税理士はAIに取って代わられる仕事のトップクラス、試験が難し過ぎる、お金と時間の浪費、受験で一生終わりかねない…そのくせ新規独立は「カネ無し、コネ無し、信用ナシ」からのスタート。死にものぐるいでやっと税理士になれたのに、現実はあまり良いものではありません。
それでも僕は独立をオススメします。
まず第一に自分が経営者・事務所の責任者になることで、お客さんの気持ちが分かります。雇われ人のうちは「25日になれば給料入るから我慢我慢」という気持ちもありましたが、独立したらそんな継続収入はありません。とにかく顧問契約を取らなければ。
そういう意味で必死になります。
自宅事務所でダラダラしない?と聞かれますが、仕事しないと食べていけなくなるので否応無しに仕事します(むしろ集中できます)。
その裏で8:30まで寝てても9時始業に間に合います。
平日の昼間にゴルフ練習もできれば、お客さんの所に訪問した帰りにカフェで一服するのも自由です(仕事道具は必携で対応できるようにしていますが)。
監視してくるお局様もいなければ、職場内で平気で飲酒喫煙するようなボスから文句を言われるようなこともありません。
集客が不安なら紹介業者に暫く手数料を払ってでもやればいいわけですし(僕は使っていませんが)、独立してやっていく!と覚悟が決まって歩き出せば何とかなるものです。どうにも経営に行き詰まったらどこかの事務所に入れてもらえば良いわけですし。
「ひとり税理士」はデメリットもリスクもありますが、それでも聞いていた以上に楽しいです。雇われ人には戻れません。