コロナ禍だから仕方ない?
言い訳が正当化される今
100年に一度のウイルスの猛威(人災?)にさらされて半年ほど。
仕事でもプライベートでも「だってコロナだもん」が許される日々です。
- 業績が落ちた→コロナで営業できないんだから仕方ない
- 気の乗らない集まりに行きたくない→コロナ感染したら困る
- 給料激減した、失業者になった→全てコロナのせい
- コロナさえなければこんなことにはならなかった→全てコロナのせい
税制でさえコロナを理由に救済措置がありますし、コロナを語れば持続化給付金を取れた人もいます(不正受給が摘発されていますが)。
それでも独立開業を選んだ
ポンコツだった自分(高校時代は数学で赤点を取るような人間)が、ポンコツなりに18年間もがき続けて、理不尽な丁稚奉公を耐え続けて、やっと税理士バッジを掴んだ矢先のコロナ禍。
今年の4/1という、節目の日を待っての開業届なので、僕は持続化給付金の対象にはなりません(顧問料という継続収入なので、それ以前の開業でも無理でしたが)。
前職の理不尽に徹底抗戦しての独立でしたので、お客さんも僅かです(お客さんを引き継ぐのに金銭の要求をされ、断固拒否しました)。
たくさんのものを犠牲にして、意地と信念だけで戦い続けてきて、やっと本当のスタートラインに立てたというのに…何でよりにもよって「100年に一度」などという未曾有の災害に襲われるんだ。あんまりじゃないか…。
そういう思いもありましたが。
ここまで運が悪いと笑える
- お前に税理士なんて無理に決まってる
- あなたの事を考えて将来が不安になるのが嫌なの
- お前といてもプラスにならない
- まぁ、キミはバカだから
- あー、やっぱり落ちたんですね
- ゴミ製造機ですか?
- 仮に税理士になれてもお前の事だからどうせ悩み続けるよ
- お前なんかが頼りになるのか
- どうせ貧乏税理士が関の山
僕は根に持つ人間なので(笑)、言われた事はある程度覚えています。
もちろん、それ以上に応援して頂きましたし見切りをつけずに今なお支えてくれて頼ってくれる、メンターのお客様にも恵まれています。
ただ、これほどボロクソ言われてやっと自分のターンが回ってきたと思ったらコロナです。
資力を失ってしまったお客さん、安くしろの一点張りの見込み客…物価は上がり続けてるのに税理士業界も価格破壊が始まっていて、ひとり税理士では薄利多売税理士には勝てません。
これほどツイてないと周りの先輩税理士に心配されるのですが、なぜか悲観的にはならない自分がいて、「自分ができることだけやろう」「これほどツイてないのには意味があるのでは?」と。
難が有るから「有難い」「有難う」。
という言葉を聞きました。
ひとりで立ち上がると仲間ができる
「ひとりで大丈夫?」と心配される事が多いのですが、ありがたいことに良い先輩税理士の方々のご縁や、登録間近の優秀な税理士予備軍の方、少ないながらも一生懸命なお客さんに恵まれています。
「税理士になると世界が変わるよ」というのはなるほどこういうことかと。
コロナによって生き残りをかけた戦いを強いられる日々を送ることを余儀なくされている今、人類が篩にかけられているのではないかなと思うこともあります。
そんな中で、同業者、ご飯屋さん、部品屋さん、衣裳屋さん、町工場のおやっさん達…みんなそれぞれ生き残りをかけて戦ってる姿を見ていると、こちらも「コロナが何だ!かかってこいよ!」と闘志が湧いてきます。
夢や希望を持てなくなってきたけど…
業績悪化や内定取消、経済的な将来不安に治安の悪化…そんな中での人生100年時代。
そりゃ「今が楽しければそれで良い」という自分本位の人間が増えるのも頷けます。
実際、世の人のモラルの低下や教育現場の崩壊なんかがその賜物でしょう。
ただ、今だけを見て生活するのは安全領域にとどまっているだけ、きつい言い方をすれば怠惰ではないかなと。
もちろん、今日を食べていくのが大変な人もいるコロナ禍の時代です。ですが「やればできる」という心、他力本願ではないチャレンジ精神はこういう時こそ必要だと僕は考えます。
僕自身、丁稚奉公時代の手取りよりも少ないお金でやりくりしていますし…。
ただ、それを「コロナだから仕方ない」とは死んでも言わない。
「何かできる」「何かある」常にそう思っています。
すると、そういう話が来たりするものです(そこから想定外の新しいスタートもあるので、まためんんどくさい思いをすることもありますが)。
事故や事件、病気に見舞われたり、自殺願望の塊でない限り、日本という国ではまだまだ生き続けていく事になります。
今を楽しみつつも5年先、10年先、どんな老後を送りたいか…今考えなければ「その時」に後悔します。
起こってもない未来ですが、自ら死を望まない限り高確率で起こりうる、到達する未来です。
お金と人脈。要は食べていければ人間の不安はほぼ解消されます。
労働収入が不安定になっている今、どのような収入源があるのか、自ら情報を掴みに行くこと。今は隣の人すらよく知らない時代ですが、田舎のおじいちゃんおばあちゃんたちのような「向こう三軒両隣」の暮らし。
そういうのを改めて考え直せたら良くなるのかなぁと思った次第です。