いつか、過ぎ去っていく。
8月に入り、もうすぐ今年の税理士試験です。
ただでさえ地獄の苦しみの税理士受験生活。今年はコロナ禍も相まってストレスは半端ないでしょう。
志を持って始めた勉強もなかなかゴールが見えず、いつの間にか苦痛でしかない…。辞めてしまえば楽になれるけど、プライドだったり事務所の手前があったりで辞めるわけにもいかず…。
中にはトントン拍子で合格していく人もいるけど、頑張ってるはずなのにそちら側にはなれず…。
「努力のしかたが間違ってる」などと訳のわからんアドバイスをされたり「お前には向いてないよ」と言われたり。
100%勝てば官軍の世界なので、いくら頑張っても不合格だと周囲は冷ややかなものです。
報告する前から「どう?ダメだった?」などと聞いてくる無礼な人間が客にも職場にも知人にもいましたが、結果が全て。「ええ。お望み通りの結果です。」と、開き直って見せたりしたものです。
人生どこで間違えたかなぁ。
こんなはずじゃなかったんだけどなぁ。
辞める気はないけど、つらいなぁ。
ずっと上位にいた俺が落ちて、何でランク外のアイツが合格なんだよ…。
と、10年以上思い続けて、いつの間にか20代と30代が終わっていました。
その間、普通に社会人をしていた友人たちはいろんな遊びをし、海外旅行をし、マイカーを乗り回し、結婚し、家を建て、子育てをしていました。
そんな当たり前のことを僕だけそれができない日々。逆に、当時婚約していた女性に「仕事が毎日楽しいのに、アンタの事を考えて将来が不安になるのがイヤ」などと言われて、試験前にも振られたほど。
自分で選んだことなのに馬鹿馬鹿しく思えてきたものです。
それでも、辞めませんでした。
だから今、税理士バッジを付けて小さいながらも独立開業しています。
ここで逃げたら残りの人生も逃げてばかりの人生になる。これをやり遂げたらその時の自分はなんでもできるはず!そう言い聞かせてきました。
18年も続いた地獄の日々、「明けない夜は無い」なんて嘘だと本気で思っていました。
そんな僕でも「諦めなかった」から、税理士になれました。
あれだけ続いた地獄のような受験生活の感覚は薄れ、税理士としてのスキルはあるか、食べて行けるか、そういうプレッシャーしかありません。
つらくてつらくてつらい以外の言葉が出てこなかったはずなのに、今となっては最後の受験は3年前の話。
喉元過ぎれば熱さを忘れるというやつです。
今、SNSで繋がっている同志の中には、この期に及んでスランプになってしまったり、自信を持てずにいる人がいます。
僕も同じ体験を長年繰り返してきたのでその時の気持ちは誰よりも知っています。
それでも、僕には過ぎたことです。
どんなこともいつか、過ぎ去っていきます。
過ぎ去った先の自分が後悔だけはしないよう、そういう選択と決断をしていきたいものです。