簿記論の突破口

簿財は税理士試験の入門編?

簿記論と財務諸表論は税法と比べて一発合格、W合格される方が多い科目です。

大学生や高校生でさえ合格します。

それゆえか、簿財は税理士試験においては税法よりも下、簡単なものと言う人さえいました。

どちらも必修科目なので、これに合格できないようでは税理士になる資格ナシ!とでも言いたそうでした。

そういう意味では、世間的には入門編なのでしょう。

簿記論は税法よりも難しい

わたくし、日本全国津々浦々の現役税理士のなかでトップ5には入るであろうというくらい簿記論とともに歩んできました。

一発合格、それも簿財セットで。そういう人を何人も見送って、18度目の正直。平成29年にやっと合格することできました。

あの時はまるでオリンピックで金メダルを取ったような感覚で、泣き叫んで喜んだものです。

そんな僕からしたら、簿記論は一番難しい科目です。

問題が難しいのではなく、合格が難しい

僕は、簿記論には何度もA判定で敗れ去りました…。

全国統一公開模試や直前答練で全国上位3%に入ったこともあります。合格の目安は上位10%。東大確実ライン級です。

でも落ちました。

簿記論の本試験は2時間で解ききれないほどの量が出題されます。

丁寧にひとつひとつ解いていたら3~4時間は必要です。

なので、解く問題と捨てる問題を考えて解き進めなければなりません。

そして、この取捨選択が命取りになります。

なまじ簿記ができてきまうと、あれもこれも手をつけてしまいます。できるので。1点でも多く点が欲しいので。

結果、やらなくても良かった問題に手をつけてしまい時間を浪費する。簡単な問題(絶対落とせない問題)でケアレスミスをする。という事態に陥ります。

合格するには戦況を見渡せる視野が必要です。

簿記論合格の鉄則

  • 「始め!」の合図でまずは問題全体を素読みする(1~2分)
  • 30分、30分、60分を守る(誤差は±5分以内)
  • 誰でも解けそうな所ほど確実に解く
  • 単位が「円」なのか「万円」なのかチェックする
  • 白紙答案の箇所があっても気にしない

ざっと思いつくだけでこれくらいかなと。

特に最初の素読みは大事です。

その1~2分がもったいない!と思うかもしれませんが、答練で試してみてください。

ざっくり目を通すことで、それぞれの問題で何が問われているのかおおよそ分かります。

素読みをせずに解き進めるのは明かりを持たずに洞窟を進むようなものです。どこでつまずいてぶつかってパニックになるかわかりません。そうなったらほぼアウトです(経験的に)。

簿記論の第1問、第2問は個別問題。第3問が総合問題です。ボリューム的に個別は30分ずつ、総合に60分という時間配分が理想です。

ここで「あともう少しやれば解ける!」厳禁です。

「あともう少し…」が想定外に時間を圧迫します(経験的に)。

どうしてもやりたかったら、他を終えてから戻ってきましょう。

試験中にプライドは無用。むしろ邪魔。

学校で良い成績で模試は常に合格確実ライン。

それでも本番で落ちるのが簿記論です(経験的に)。

当時僕は「どんな問題でもかかってこい!仮に自分に解けない問題は他の人も解けない!」と自信に溢れていました。

落ちまくって、東大受験生以上の時間を簿記論に捧げていたので。

ところが、そんなプライドが不合格への片道切符です。

なまじ出来るために「捨て問題」に取り掛かってしまうのです。出来ちゃうので。

また、出来ちゃうのでどれが「捨て問題」なのか分からないのです。

簿記論は2時間で解ききれない量が出題されます。

間に合うわけがありません。

頭から順番に解いていけるのでサクサク進めていたつもりが、時間が迫ってきて慌ててケアレスミスを誘発したり、間に合わず後回しにしたところが実は「落とせない問題」だったり(経験的に)。

簿記論は100点満点を狙う試験ではありません。

合格ボーダーは60点台の年がほとんど。

この約60点を「競争試験」で競って上位10%以内に入ることが合格の条件です。

そうなると、みんな解けそうな所は必ず取る。

必ずとるためには個別問題をないがしろにしないこと。

直前期でも個別問題を解くメリット

学校の先生は「総合問題を回しましょう」と言うでしょう。個別はやらなくていいというくらいです。

個別問題をナメてはいけません。

自分が通う学校とは別のところの個別問題集をやりましょう。

それぞれの項目ごと、個別問題形式で掘り下げているので、いざ解いてみるとよく間違えます。

ケアレスミスだと思っていたのが実は理解不足だった…なんてこともよくあります。

総合問題だとそれぞれの項目は基本的なものだったりします。

そのため、本試験で見ず知らずの人が作った問題をみると「なんだこれ?」になります。

個別問題集も記載されている制限時間内にミスなく解けるまで繰り返す。そうすると劇的にケアレスミスも減り、理解度も増します。

5月に入ったからこそ個別問題集です。

それで合格できました。

3年以上かかってしまっている人は特にお試しあれ(経験的に)。

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