正攻法とは何か
奇計などを用いない正々堂々とした攻め方。また、定石どおりの方法。
という意味です。検索すると。
近々、知人が土地と家を買うそうで、地方で流行りの「75歳までローン」を組むそうです。
住宅ローンは自傷行為
本音は「自殺行為」だと思っています。
所得が十分な人には当てはまらないですし、家を買うのはもちろん個々の自由なので、あくまで「僕なら賃貸」という目線です。
以前からハウスメーカーの口車に乗って安易に住宅ローンを組む人間には警鐘を鳴らしてきました。
聞けば、「ローンの返済の方が家賃より安いし資産として残りますよ」とハウスメーカーの営業マンに言われるのだそうです。
それゆえ、昔よりもマイホームを購入しやすい風潮が生まれました。
車も一家に一台から一人一台になったわけですし、次はマイホームというわけです。
しかし、結婚と同時にマイホームを買うということはどういうことか、想像力を働かせて考えた方がよろしいかと。
結婚を考える時、借金がある人間はダメというハードルは誰もが持っていると思います。
なのに、結婚して75才までの借金を作るというのはどうなのでしょうか?
元気に動ける健康寿命ベースの残りの人生を借金の返済と利息の支払いに追われながら生きる訳です。出世して順調に昇給していく人なら問題ないですが、周りを見ていると「それ、大丈夫?」と心配に見えてしまう人が少なくありません。
75歳まで今の水準を保てるか
まず無理でしょう。
人生100年時代といっても70歳を越えての働きっぷりはたかが知れてます。
当然、相応の給料にまで落ち込むでしょう。
今すでに若者も口をそろえて言うように、年金も期待できません。
果たしてローンを返済し続けられるでしょうか?
結婚と同時に家を買うということは、子供が成長し、一番お金がかかる頃に家のガタが出始めます。
あと、固定資産税も毎年かかります。借金の返済に加えて国に賃料を払うようなものです。
また、僕が一番疑問に思うのは、今の仕事が75歳まで安定収入をもたらしてくれると本気で思っているのか?ということです。
副業なり投資なりで複数の収入源を持っていれば良いのですが、ほとんどの人は勤め人としての収入一本で家を買っています。
子供にローンを押し付けるつもりなのでしょうか?
コロナショックは人類へのメッセージ
コロナウイルスの蔓延で、ほんの数ヶ月前までの沢山の「当たり前」が崩れました。
収入が絶えたり、行動を制限されたり、命の危険もあります。
何か起こると75歳に到達する前に収入が途絶えて返済が滞ります。それを今回のコロナショックで人類は思い知ったはずです。
コロナが無くても、突然の配置転換や役職定年、自身の健康状態などでローンが払えなくなり、泣く泣くマイホームを手放す人が出てきています。
にも関わらず、築年数の関係で売ってもローンを完済できないというケースも出ています。
もっと言えば、災害大国の日本。最近は毎年どこかで大洪水や地震、噴火に竜巻や大雪…どこに住んでいても天災のリスクがあります。温暖化の影響は目に見えて多発しています。
一生に一度の大きな買い物なればこそ、頭を使って正攻法で買わなければいけません。家族がいるのだから。
正攻法を軽んじてはいけない
家を買おうか考えてると言った知人に、上記のような理由から思いとどまるよう忠告しました。
買う買わないは個人の自由なのですが、聞かれたので老婆心ながら。津波が来るエリアですし。
しかし、内心買うと決めていたようで「そういう正攻法はつまらない。無駄を楽しまないと」と言われました。
一生に一度の大きな買い物を無駄だと。家族を養う一家の大黒柱が正攻法すら取れないようでは…楽しむべき所を取り違えているようですが、それは僕の観点なのでそれ以上は何も言うまいと。
一番怖かったのは、彼が所ジョージさんの影響を強く受けていて、受け売りが多いと言う所です。
所ジョージさんの経済力だから為せる技というのが抜けているようです。所ジョージさんは「私はたとえ金が無くても楽しめる術を持っている」というような事を言っています。
その辺を曲解してしまってるようなのですが、家を買うというのは遊びでは済まされません。
人ごとなので深く首を突っ込んだりはしませんが、今のリスクを軽んじる風潮は今後日本に大きな影を落とす…そのような気がしてなりません。
コロナに対する日本国民の態度も同様です。
自分の身に事が起こらないと懲りない人間が日本には多過ぎます。