税理士試験の受験記録

今年の税理士試験の願書が配布され始めたようです。

そろそろ税理士受験生は本気モードになる頃合いでしょうか。

合格までの道のりを思い出してみた

いかんせん18年という長過ぎる時間を費やしてきたので全てを覚えている訳ではありませんが、こんなヤツでも税理士になれたなら自分だって!と思ってもらえたらと。

  • 2001年 22歳、大学4年生で金持ちになれると聞いて税理士を志し、簿記を始める。卒業後は就職せずフリーター。独学するも日商3級すら受からず。
  • 2002年 フリーターは続く。無職に焦りを感じ、3級を諦め2級を狙う。この時から大原の夜間講座に通い始め、三度目の正直で2級に合格。同時に簿記論のクラスにも通う。受講相談で「2級を勉強してるなら上級コースも大丈夫!行っちゃってください!」と講師からデタラメなアドバイスを受け、真に受けてしまう。
  • 2003年 講義が全く理解できず定例試験は毎回1ケタ得点…。何度も先生に質問するうちに「次、同じ質問したらさすがに怒りますよ…。」と匙を投げられる。本試験は2年連続で頭が真っ白になり、ほぼ白紙で終わる。途中退出が恥ずかしく、とりあえず2時間解いてるフリをする。この時、会計事務所にパートとして採用されるが、お局様にいびられてノイローゼになったのちブチ切れて机を蹴る(このお局様は10年後クビになった)。
  • 2004年 財務諸表論も並行して始める。簿記論は上級クラスに2年もいたのだから次こそ大丈夫だろうと経験者速修コースへ行く。しかしついて行けず…。簿財両方一番悪い判定(E判定?)。
  • 2005年 この辺りから簿記論の一般クラスに鞍替えするも、簿財共々不合格。
  • 2006年 三度目の正直で財表に合格。初めての一部科目合格。簿記論は不合格。この時、ヤリ手だった副所長が癌で亡くなり、正社員となる。
  • 2007年 女性問題で理論暗記どころじゃなくなる。所得税、簿記論共に惨敗。
  • 2008年 前年同様鳴かず飛ばず。女性問題が尾を引く。
  • 2009年 三度目の正直で所得税に合格。簿記論はC判定とか。
  • 2010年 消費税を初受験。理論は書けたが計算がダメでC判定かB判定。簿記論は不合格。
  • 2011年 消費税の理論で書けないところが出てしまい初めての途中退出。簿記論も不合格。
  • 2012年 3度目の消費税はB判定。嫌になり消費税を諦める。この時、簿記論に嫌気がさしていて1年休む。そういう時に限って歴代最高合格率18.82%だった…。
  • 2013年 計算が無いという理由で国徴をやってみる。「ぐるぐる廻り」のあたりからついて行けなくなり、C判定。簿記論はB判定とかだったと思う。
  • 2014年 何を思ったかTACの国徴に鞍替え。終始皮肉っぽい事ばかり言う傲慢な講師で、実判の時期にいきなり「範囲指定はありません」と言われ、そんなバカな話があるかとブチ切れて国徴に見切りをつけ簿記1本に絞る。ところがA判定。
  • 2015年 やっぱり大原の国徴に戻る。しかしB判定。簿記論はA判定。
  • 2016年 国徴でCランクが出てここだけ書けずA判定で不合格。簿記論もA判定。
  • 2017年 簿記論はA判定で落ちるも冬の大学院の入試に合格。9月から始めていた相続税の講座を辞める。
  • 2018年 やっと簿記論に合格。部屋で一人、雄叫びを上げながら号泣する。所得税の修士論文「少子化社会における所得税のあり方についての一考察」を執筆。給付付き税額控除(EITC、CTC、ユニバーサルクレジットなど)、ベーシックインカム、N分N乗方式について欧米と比較しながら約100ページの論文を書く。
  • 2019年 大学院卒業。
  • 2020年 10ヶ月待たされて不作為の審査請求までして免除通知を受け取る。その後念願の税理士登録、「ひとり税理士」として独立開業。

こうして時系列にしてみると、改めて恥ずかしく、情けなく…それでも税理士になりました。

永遠に明けない夜をさまよい続ける日々でしたが、不思議と税理士を諦めることは微塵も考えませんでした。

コレを辞めたら逃げ癖がついてしまうと思ったので。あと、やり遂げて税理士になった自分は絶対カッコイイ。そんなカッコイイ自分だから絶対運命の出会いをするはずだと(笑)今のところありませんが…(笑)

やはり、諦めない事。これに尽きると思います。「諦めたらそこで試合終了」ってやつです。

そして、闘う心があれば負けはしない。いつも心に言い聞かせていました(戦国無双の真田幸村の決めゼリフですが)。

いかがでしょう?

こんなヤツでも税理士になれます。

大学院で免除取るヤツは受験から逃げたヤツだ。

僕もそう思っていましたが、大学院に行きました。

逃げだと思うなら一度僕の論文を読んでみてください。僕のツテで手配しますので大学院の講義に出てみてください。

受験とは一味違った地獄が待ってます★

時間の浪費は愚の骨頂

人の命には限りがあります。

僕は税理士になるために20〜30代という人生で最も輝ける時間を棒に振りました。取り返しのつかない事をしてしまいました。

40歳になり、当時のように体は言う事を聞いてくれません。お酒も飲めなくなってきたし白髪も増え、ランニングしてもなかなか脂肪が落ちなくなりました。

人生は合理化してナンボだと痛感しています。

ホリエモンが言っていた話ですが、寿司職人は何年も丁稚奉公の修行があり、なかなかシャリを握らせてくれないそうです。しかし今の時代、機械がシャリを握っている店がミシュランの星を取っているんだそうです。

税理士もそう。

シャリを握るまでに時間を浪費しない。一年でも早く税理士になる作戦を練るべきです。

受験勉強を通じて申告書を理解できるようになるのではなく、実務の研修で学べばじゅうぶんです。

中にはトントン拍子で官報合格していく人がいますがそれはそれ。

そういう人と比べるとのではなく、税理士としてお客さんの役に立てる人間を目指しましょう。

僕だって大原で万年トップでしたが本番でいつもダメでした。簿記の全統で全国上位3%になった年でさえ落ちました。逆に、合格した年はここ何年かで一番自信が無かった年でした。

税理士試験ってそういうものです。

僕だって税理士になれたのだから、ここまで読んでくれたあなたなら大丈夫。諦めなければ必ず税理士になります。