「努力のしかたが間違ってる」と言われて。

僕のところに来る税理士試験のお悩みのほとんどが「◯年間ずっと受け続けているけどなかなか合格できません…」というものです。

今のところ僕の”簿記論17年”を超える相談者は現れませんが。

相談者さんの話を聞いて、自分の体験を思い出してみて、ふと気付いたことがありました。

「質より量」はちょっと違う。

僕の受験生時代のことは度々ブログに書いてるので伝えきった感がありますが、長い年月を費やしてやっと合格の可能性を感じられるようになった頃…。

とにかく色んな予備校の模試を解きまくっていました。

できないのだから、できるようになるまでやる。2時間の総合問題を1日4つ解いたことも多々。解くだけで8時間、間違いチェックをすれば1日10時間以上勉強していました。

と、言うと「すごい!」「根性の塊ですね!」「努力家ですね!」という反応が返ってくるのですが、その割に結果が出ていません。

当時の僕は「量」を重要視していて「これだけやったんだから大丈夫!」と自信に繋げていたものです。

や、違うなと。

仮に100問やるとして「100問やったからイケる!」と思うのか、確かな手ごたえや合格のきっかけを得るために100問解くのか、同じ100問目を終えた時の立ち位置を考えてみました。

前者(当時の僕)は誰よりも多くやることで自信以上に安心を求めていたように思います。単にメンタル重視と言えます。

一方で後者だったら1/100を毎回創意工夫しながら臨めてたはずです。自ずと理解力が培われていくでしょう。

勉強好きの人から見たら当たり前かもしれませんが、高校で赤点を取っていた僕は良く言えばがむしゃら、悪く言えば闇雲に、ただただ量をこなしていただけだったなぁと。

おわりに

今、相談に来られる方に伝えるようにしているのは「正しい努力」とは何ぞやということ。

当時誰も教えてくれなくて、必死に探していたもの。

サクッと一発合格できちゃう人にはない経験と、過ぎ去って俯瞰できるようになって見えたもの。

自身の取り返しのつかない現実も、今悩んでいる誰かの後押しになって、12月に合格の報告が来ると、案外無駄ではなかったなと嬉しくなります。

20代と30代を税理士受験生に捧げてしまって、他の思い出がほとんど無く思い描いていた未来には程遠くて「何故こうなった?」と日々自問自答しておりますが、反面教師にして頂ければ(笑)