デキる人、デキない人。
SNS全盛の昨今、さまざまなノウハウの投稿を目にします。
「◯◯までに絶対やるべき5つの事」とか「私はこうして成功した」などといったものです。
こういった投稿が湧いてくるたびに思うのが「それが出来てりゃ世の中成功者しかいないのでは?」ということ。
その人がたまたまデキたのであって万人に当てはまるということは無いよなと。
失敗者の言葉こそ響く。
僕自身、税理士試験だけでなくこれまでの人生で失敗や挫折、うまくいかない事ばかりでした。
結果を形にできないから評価されないし、前の事務所ではゴミ呼ばわり、デキる人と比べられたり、比べてしまったりで自己肯定感なんぞ1ミリも残らず崩れ去ったものです。
それでも何者かになりたくて、落ちまくっても懲りずに受験し続けた訳ですが、その間は結果を出した人のアドバイスを鵜呑みにしては失敗ばかりでした。
とにかく失敗を繰り返し、すっかり不合格通知コレクターになった頃にようやく自分に合ったやり方が確立できて、そこから3年後にようやく鬼門の簿記論を突破できました。
一般合格する人が多い簿記論、4〜6年で税理士になる人が多い中で、18年も費やしたSS級ポンコツですがそれを恥ずかしげも無く暴露していたところ、度々税理士受験に苦労されている方からの質問を受けます。
「下には下がいる」と思って頂ければ挫折せずチャレンジし続けられそうですし、こんな僕でも税理士になれたんだから貴方もがんばれよ!というエールも込めて、頑なに相談料の受け取りはお断りさせて頂いております。
そんな折に「自分より苦労した人がいることを知って救われました(G様)」、「デキる人の発信を見てもデキるアピールにしか聞こえない(N様)」とのお言葉を聞いております。
僕も受験生時代は全く同じ思いでした。実際、先に結果を出した友人(だと思っていた)から「これからは自分の損得で付き合う人を決めるからお前とはツルまない」とわざわざ絶縁宣言までされたものです。
それでもどうにか同じ土俵に立てたのは、そいつよりは人柄の良い親身な税理士になろう!見返してやろう!やり抜いた時の自分は強くなってるはず!自分に自信を持てるはず!
と、税理士になった自身の姿をリアルに妄想していたからです。
税理士になって6年目、今確信を持って言えることは「闘う心があれば、負けはしない」ということ(戦国無双の真田幸村の決め台詞ですが)。
おわりに
成功者のキラキラした姿に憧れて野心を持って挑める人、少し周りよりも繊細でイケイケになれない人、実は器用で深く考えずしれっと合格できちゃう人…いろんなタイプがいると思います。
僕はとにかく自己肯定感が低くて”たっすいがー”です。今でも。
税理士になってもそのフィールドならではの悩みで全ッッ然自分に自信なんて持ててません。そういう性分です(笑)
そんな人間が背伸びしてデキるキラキラを意識してもコケて凹むだけ。
ある意味自分に諦めて、じゃあそこからどうするか。
人生もカーナビと同じで、目的地を設定すれば自ずとそこまでの経路を探して進み始めます。
僕より目的地は「税理士・独立」。どんな姿でどんなお客様に囲まれて…おおむねその通りになっています。
なので、もしも税理士試験の直前期で不安が勝ってしまっているようでしたら、「今年合格」じゃなくて「税理士として暮らしている姿」を鮮明に妄想し続けましょう。
そうすれば毎年の税理士試験なんて単なる通過点に過ぎませんし、周りの雑音も気になりません。
それがデキないなりに身に付けた生存戦略です。
簿記論なんぞに17年かけた自分でさえ税理士になれたのだから、諦めなければ誰だってなれます。
ちなみに、今日この瞬間の私はナビの調子が悪くていささか人生の迷子(特にプライベート)ですが…。