税理士受験生のGW

いよいよゴールデンウィークに入りました。今年はコロナ禍の最中においても制限はないのでさっそく帰省や観光で人が動き出しているようです。

所得税に合格した年の理サブ。色分けには全て意味があります。

この時期になると受験生時代を思い出します。

連休中は大原も閉鎖されていたので事務所にこもって勉強したり、毎週土曜日の勉強会で使っていた施設を一日貸し切りにして朝から晩まで勉強していたり、とにかく勉強漬けでした。

今年の税理士試験も100日を切り、周りの受験生も徐々に本腰入れ始めてるなぁと感じます。

一方で、そろそろ会計事務所の仕事は3月決算の申告業務で忙しくなってきます。

働きながら受験している人はこの大型連休で遅れを挽回しておきたいものです。

周りが遊んでいる時に頑張ると自信がつく。

合格まで人一倍どころか人三倍の時間を費やした僕は、これくらいの時期から土日祝は朝から晩まで勉強していました(合格に遠く及ばなかった時代は遊んでいましたが)。

合格したり、落ちてもA判定だった頃は、本当に根性論100%でガリ勉していたものです。仲間と「一日24時間では足りない」、「これだけ勉強してたら東大合格できるよね」などと言っていたものです。

周りが遊んでいる時に勉強する。そして出し抜く。

もちろん、地頭が良かったり要領が良かったり自分に自信がある人ならガリ勉する必要はないでしょう。

ただ、この時期になってまだ調子が上向かない、模試の点数に表れない、という状況の人は遊んでいる場合ではありません。

本試験ではそんなデキる人たちと同じ土俵の上で闘うので。

だから僕は家族や友人が帰省する実家からはあえて離れて雑音が聞こえてこないようにしていました。

ついつい「今日一日だけ…」と甘くなってしまうので。

そうならないために、自ら進んで軟禁状態に身を置いていたので当時は「セルフアウシュヴィッツ」などと言っていたものです。

でも、それをやり遂げると「これだけ頑張ったんだから」と思えるようになりますし、そういう実感が得られると、本試験まで「あと3ヶ月しかない」が「まだ3ヶ月もある」と思えるようになります。

締め切りが近付いてきて間に合わないから焦るのであって、日頃からある程度根詰めてやっていれば対応力も身に付きます。

GW中にやるべきこと

僕が税理士試験で合格できたり手応えがあった(A判定の不合格)年は、GWを機に戦略を変えたときです。

①簿記論編

簿記論でいえば、とにかくひたすら個別問題

簿記論の攻略法は「とにかく総合問題を解き直せ」ですが、あえて反対のことをやりました。

おそらく僕は日本一簿記論の総合問題を解いた経験がある税理士です(18年受け続けたので)。

よくある「合格体験談」では「先生の言葉を信じて」とほぼ100%書かれていますが、それが僕には合いませんでした。

だからあえて先生から言われたことの反対をやってみようと。

そしたら様々な学校の模試を解いても網羅し切れていないことに気付いて、しかもその漏れていたところが理解していた「つもり」だったことにも気付きました。

実判や直前答練で学内1位、全国上位3.9%に入っていても個別問題集に取り掛かると間違い大連発だったのです。

「ああ、ここが弱点だったのか」と。

それに気付いてからは、もちろん模試の解き直しも90点以上になるまでやりましたが、同時に個別問題もその項目で間違えなくなるまで解き直しました。

解ってた「つもり」は恐ろしいもので、骨身に染みているのでちゃんと矯正しなければ何度もやらかします。

悪い癖を根本から叩き直す感覚です。この時期になると「地道に…」などと言っていられなくなるので「愚直に」です。ひたすらに。

今、簿記論で伸び悩んでいる人こそ個別問題に戻りましょう。

それも自分が講義を受けている学校とは別の学校の。僕の体験では市販のネットスクールの個別問題集は神でした。オススメです。

②理論編

続いて税法や財表の理論暗記ですが、そろそろ模試の出題範囲表が配られている頃合いかと思います。

GW中はAランク(大原の理サブの場合は「★★」)の理論をとにかく暗記し直していました。

暗記のしかたも「書く派」と「読む派」で分かれますが、大半は時間の浪費が無い「読む派」です。学校でも読んで覚えろと言われます。

ところが、僕の場合は読むだけではなかなか暗記できなくて(理解しないと次に行けない性分)、ずっと「書く派」でした。もの凄く膨大な量を根性100%で書いて覚えていたので、今なお後遺症で右手の握力が戻らず、長距離のバイク移動では痛みでクラッチが切れなくなります。

「書く派」は定着度は高いのですが、とにかく時間と労力を浪費します。なので「読む派」に切り替えた方が良いんじゃないか…と何度も何年も試行錯誤しては失敗してきました。

初税法の所得税は「書く派」100%、根性論100%でしたが、その後の税法では沢山の失敗から編み出した「書く派」と「読む派」のハイブリッド暗記法でサクサク進みました。

我流、ハイブリッド理論暗記法

以前から何回かブログで書いていたり、アドバイスを求められて教えたりしていて好評なので、手前味噌ながらなかなか良い方法ではないかなと。

もし今、理論暗記に苦労されているのなら是非試してみていただければ。

それは、まず7回素読みする

この時は暗記しようなどと思わないこと

「7回」というのがポイントで、5回では弱いです。かと言って10回では集中力が切れます。だから7回です。

一度に素読みする範囲は項目ひとつずつ(短い理論なら二つでも)。

7回読み返すと、暗記する気は無くても書いてあることはざっくり覚えます。そこから書き出すと、最初から書いて覚えようとするよりも時短になるし、「読む派」100%よりも定着します。

個人差はあるのかも知れませんが、今のところ好評を頂いている理論暗記法です。

おわりに

長いGW、とはいえ3月決算の繁忙期。事務所によっては「あくまで週休2日」というところもあります。

生きてく上でお金が必要ですし、税理士になるためには実務経験が必要です。が、まずは合格することが最優先のはずです。

限りある自分の人生。今この瞬間も1秒、2秒、3秒…と秒速で死に向かっているわけです。その中で自身の最優先すべきことは何なのか?上司なんぞに自分の人生を握らせないようにしたいものです。まさに「生殺与奪(せいさつよだつ)の権を他人に握らせるな!!」です。

15年もの間、ボスにガッチリ握らせてしまった僕の教訓でもあります。

合格は単なる通過点。その先、どんな税理士でありたいかを事細かに常日頃から妄想しておくとそれが道標になります。

あと、大型連休中に一日くらい…遊んで良いのかも知れません。むしろデキる人ほど遊んでいるでしょう。

それでも僕は「結果を出せていないんだから遊んでる場合じゃない」と言い聞かせていました。それを「いやいや、そんな無理をするからダメなんだよ。息抜きしろよ。」と思うかも知れません。

でもそこは人それぞれなので。

僕は自分に甘過ぎる人間なので、遊んだらダメになると分かっていた。だからセルフアウシュヴィッツをしたわけです。

「良い」GWをお過ごしくださいね。