面倒くさい事が幸せなんだよ
タイトルは所ジョージさんの言葉です。
所さんは今でこそ芸能界随一の成功者で、地位も名誉もお金もあって「だからそんな事が言えるんだよ」と言う人もいます。
でも所さんは月給7万円の下積み時代から変わってないと。
そんな所さんの価値観が好きで彼の本をよく読みます。

コスパだのタイパだの
世の中そんな事を言っては、めんどくさい事をやる人が減ったなぁと感じます。
税理士受験生時代は毎朝電車やバスで通勤していて、マーカーだらけの理サブを読み込んでいましたが、あの頃から気になっていたのはほとんどの人がスマホを凝視していること。
SNSやゲーム、漫画を見ているといった具合です。
電車の中という「隙間時間」を荷物になる紙の本や小型ゲーム機を持ち歩くことなく効率的に過ごせているという事なのでしょうが、それってファストフード的な感じだなぁと。
コスパ・タイパと言ってジャンクフードばかり食べていては体に良くない。
手作り、無農薬、有機栽培…そういったコスパの悪い「めんどくさい」の先に食の安全があることは誰でも何となく分かると思います。
自身の暮らしに消費する時間やお金もそういうものではないのかなと。
スマホばかりで本を読まない。
友達と一緒にいるのに会話せずスマホ。
どこに行くにもまずネット検索で予習。
効率的なのでしょうが、それで生まれた時間やお金はどこにいってるのでしょうか?
スマホと向き合ってる時間が増えるだけ、SNSなどで華やかなモノを見ては浪費に回るだけ…そんなジャンクフード的時間、さしずめジャンクアワーが身になるのかなと。
食事でもなんでもコスパ・タイパが良いモノは誰にでもできる事ではないかと思うのです。
某全国チェーンの牛丼屋の牛丼vs高級料亭の松阪牛の牛丼。
この違いは一目瞭然です。
誰にでもできるし手に入るから、それを何年続けようと自分のプラスにはなりません。むしろマイナスになることもあるでしょう。
「面倒くさい事が幸せなんだよ」
という所さんの言葉はそういうことではないかなと。
僕で言えば税理士になるために18年…。
大学4年生(22歳)で志し、合格・独立開業は40歳。
ほぼ毎年2科目受験していたので、トータル1,000万円くらい大原に払ってきました。
大学の卒業旅行や独身貴族の海外旅行、見栄を張った高級品…そんなのは全く無く、友達にも「出世払いで良いから盆暮れくらい飲み会に顔を出せ」と言われ、まるで下積みお笑い芸人のような暮らしでした。
それを越えての今。
独立して6年目、もう十分に元は取れました。
勤め人の頃のような最低8時間労働や残業、そんなものはありません。
繁忙期こそありますが、それ以外は一日2〜3時間働くだけで食べていけます。
「面倒くさい事が幸せ」の意味
税理士受験生時代はひどいものでした。
「お前なんかに無理だ」、「(結婚すると思っていた女性から)あんたのこと考えて将来が不安になるのが嫌」、「まだやってるんだ?」、「あと何年かかる?」
根に持つ性格なので他にもいろいろ覚えてます。
もともと低い自己肯定感もこんな時代を経て奈落の底のもっと下まで落ちていきました。
這いつくばって、這い上がって、今。
「税理士」というカテゴリーの中での一般的な「成功」は億単位の売上、大都市で税理士法人化、複数店舗展開、本人の所得がウン千万円…そんなマウントを取られることもありますが、カネが欲しい人はそうして頂ければ。
とにかく税理士という立場になって「めんどくさい」を乗り越えたことが栄養となり身になったのか、周りの自分を見る目が変わりました。
一目置かれるようになったというか、先日も訪問先で「税理士先生って高嶺の花ですよ」と(時間をかけ過ぎたので低地の雑草という自覚しかありませんが…)。
やりたい仕事だけやって、会いたいと思えるお客様に恵まれて、好きな事や物に囲まれて、幸せだなぁと思える暮らしをしています。
おわりに
コスパ・タイパよく行動し、SNSで垣間見えるリア充を見て、得た物・残った物は何でしょうか?
僕は税理士試験を18年も続けられたのは10年後、20年後の自分が今の自分を見たらどう思うか?を考えていたからです。
めんどくさい事を越えていく過程で培われたスキルが本当の意味でのコスパ・タイパを良くしていくのではないかと思うのです。
10年後も満員の通勤電車に揺られてスマホゲームやSNSを見て、めんどくさい事を避け続けて過ごしていますか?
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週5くらいで夜ランしてるからと昨日ビッグマックセット(飲み物はもちろんマックシェイク)を食べてしまったことを少しだけ反省しつつ、今朝は雑穀米と納豆、ルイボスティーでリセットされたと信じつつ仕事しています。