ネガティブでも税理士試験に受かる方法

この時期になると、受験生の切羽詰まった感がちらほら見えてきます。

と同時に、都合の良さげな「コレで一発合格した!」、「コレで半年で合格した!」などと誇らしげに武勇伝を語る既合格者も出てきます。

そんな中で、今、本気で合格を目指して闘っている人はそんなことを聞きたいわけじゃないんじゃないかなぁと違和感を感じました。

いつかの不合格通知。これを何度受け取ったことか…(泣)

税理士受験生は置かれている環境も年齢層も千差万別。働きながらなんとか時間を作って勉強している人もいれば、無職で受験に専念できる人、家事や育児の合間にコツコツ勉強している人、とにかくいろいろです。

デキる系の人の体験談はアテにならない

長い受験生活でいろんなライバル達を見てきました。

  • 要領良くトントン拍子で受かる人
  • とにかく根性の塊のような人
  • 短時間の集中力が凄まじい人
  • 騒いでばかりでいつの間にか消えた人
  • 頑張ってるようだけど結果が出ない人(私)

長年受験してきて確信を持って言えるのは、簿財なり税法なりの知識以上に精神力(性格)が合否を大きく左右するなぁということ。

受験生であれ、プロアスリートであれ、敏腕営業マンであれ「負けん気の強さ」が露骨に結果に現れます。

他人は蹴落としてでも自分は生き残る。

そんな強さがある人は税理士試験でもすぐ結果を出します。それが微塵もなかった、人と争うのが苦手な僕は長期戦となってしまいました。

合格を諦めたことはありませんでしたが「あと一歩」というゴール直前の競り合いで精神力の差で負けたのだと、今になって思います。

その次に大きいのが「楽観的」に捉えられるか否か。

今年の税理士試験まであと2ヶ月半。理論が追いつかない、点数が伸びない、そんな現実を突き付けられて焦っている人もいるでしょう。

そんな中でも「最後に帳尻合えばヨシ!」と、空回りしないことが大切です。あれもやらなきゃこれもやらなきゃと焦って手を出してしまうと結局すべて中途半端になってしまいます。

人と競るのは苦手でいちいち生真面目に考えてしまう性分の僕には何度も何度も「向いてないんじゃないか?」と思い知らされる、苦しい受験生活でした。

そんな時、僕は「残り◯日でどれだけできるか」を考えていました。

例えば、2時間問題を毎日ひとつ解き直すとして、60日あれば60回もやれる。

もし受験専念型で2時間問題を1日3つやったなら、60日で180回も。

それだけやれる時間は残されていますし、それだけやればデキる気になり、少し楽観的になれたのを覚えています。

当時、一緒に勉強していた受験仲間はデキる系の人間で、簿財セットで一発合格し、法人税も一発で合格していましたが、彼はこの時期「ストレス発散!」と風俗狂いしていました(笑)

くそ真面目に勉強していても落ち、風俗狂いしても合格できるのが税理士試験。

その合格体験談や合格自慢が自分のタイプと合うのかの見極めが大事です。

要領が悪いタイプなのに、焦るがゆえに救いを求めて要領の良い人のマネをしたら…ほぼ大怪我します。

令和4年の結果で大怪我しないために

これ見よがしに自身の輝かしい合格体験談を豪語する人から見たら、僕の受験生時代のやり方は非効率極まりないムダな努力に見えるでしょう(実際に言われた)。

でも、アドバイスに従ったら余計にダメでした。「効率化する努力」まで重なってしまい余計に焦るし定着しないし…だけど時間が足りないから合格者のアドバイスを信じて続けた。

結果、その年も不合格。

結果は所詮、自分のせい。「努力不足」の一言で終わり。「頑張りましたが…」は評価の対象にはなりません。

こんな僕のようにならないためには、人マネをしない、とにかくやるしかない、そんな根性論100%でラストスパートをかけるしかありません。

どうせ生まれ持ったネガティブ思考なら、とことんネガティブに考えて「コレ突破できなかったら人生詰む…」くらいの方が尻に火が付いて良いものです。ネガティブ思考の人間すべてが火付きの悪い生ゴミのような性格とは限りませんので。

真剣に取り組む姿勢が強過ぎるゆえに深刻に捉えてしまってうまくいかなくなる。それがネガティブ人間ですが、ヘラヘラしてる人間より思慮深くて立派でもあるわけです。

だから、自分で決めたやり方をとやかく言われても、ここまで来たら貫き通すこと。側から見たら非効率でも自分でこうと決めたのならそれが自分に最も適した方法なので。

僕の場合、所得税の理論暗記も受験前日に東京入りする前(受験の2日前)まで書いて暗記しました。

ペンを持つ手に力が入らないほどでしたが、見た目など気にせずサポーターを装着して本試験に臨んでバッチリ合格したものです。

おわりに

切羽詰まりつつある受験生を煽りたいのか、ここのところデキるアピールをしている税理士が散見されます。あれは応援しているようには見えません(同族には良い刺激なのでしょうが)。

ここに18回も簿記論を受けて税理士になった人間がいます。

僕でもなれたわけなので、サボらず真剣に向き合っている人なら必ず合格します。それが今年かどうかは分かりませんが。

ただ、どれだけ後から来た者に追い越されようと、どれだけ不合格通知を受け取ってポンコツ扱いを受けようと、闘う心があれば負けはしません。今まさに強靭な精神力が培われている最中です。

サクッと合格してしまった人(相当の努力は当然しているでしょう)よりも這いつくばってきた人の方がよりタフに、より親切になれるもの。

デキる系と不器用系ではそもそも人種が違うので生きる世界も違うもの。

できない自分をダメだと思うのではなく、「今は」できないだけなんだと。そんな自分を受け入れて、残り77日、簿記論なら2時間問題を最低でも77回分解けるのでバッチリやり切って欲しいなぁと思います。

たとえ今、上位30%にすら入っていなくてもラスト1ヶ月で一気に伸びる人もいます(所得税の私)。一方で、今トップに君臨していても本番でコケる人もいます(簿記論の私)。

要は試験当時に出来ていれば良いわけです。