税理士受験生のメンタルヘルス

今年の税理士試験まで100日を切りました。真剣に合格を目指している受験生はだんだんとピリピリしてくる頃合いです。

しかし悲しいかな、仕事はちょうど3月決算の繁忙期。世間もこれから夏に向けて色々なイベントの季節に移り変わっていきます。

この時期の税理士受験生は世間的にはかなりマイノリティです。なかなか理解をしてもらえません。

ダメダメでも結果は出せる

定期的に僕のブログを読んで頂いてる方はご存知だと思いますが、僕は18年間毎年税理士試験を受けました。

「よくそこまで続きましたね」、「メンタル強すぎます」、「根性ありますね」…など、結果を形にできた今だからこそそう言われますが、当時は毎日が暗闇で出口の無いトンネル、明けない夜、そんなダークな世界でもがき苦しんでいたものです。

静岡の大原の自習室は5階にあるのですが、「ここから飛び降りたらラクになれるかな」とか、線路に飛び込んでしまった人の気持ちが分かるような気すらしていました。

結果が全ての世界なので、不合格だと事務所のボスや受験すらしない職員共にイヤミを言われ、合格した仲間には勝ち誇った顔をされ、当時婚約していた人にも「将来が不安」と切り捨てられ…誰かにボヤくと過程も知らんくせに「それはお前の努力不足」「嫌ならやめれば?」と、四面楚歌。

やることなすこと全てが裏目に出ているような気がして、鬱にもなります。

税理士試験は上位10%が合格するという競争試験なので、「隣のやつを蹴落としてでも自分は生き残る!」という考え方が出来る人に有利な試験です。

そういう人ならスポーツの世界でも営業の世界でも芸能界でも強いでしょう。

僕はそうではなくて、争いごとはしたくない、自己肯定感も低い人間なので、とにかく順位で評価されるものが苦手でした。やっても負けると分かっていた(そう思っていた)ので。

じゃあなぜ税理士試験をやり遂げられたのか?

それは自分で自分を追い込んだからです。

税理士試験を途中で投げ出したら、その後も嫌になったら投げ出して、逃げ続ける人生になってしまう」と。

ときどきニュースなどで聞く「仕事を転々として…」とか「いい歳して無職」とか、そういうのは絶対に嫌でした。

税理士へのチャレンジを諦めるということは、人生で転落するような気がして、常に崖っぷち感がありました。そんな危機感があったおかげで続けられたのです。

もちろん、税理士になってキラキラした自分を妄想していましたが、ずっとポジティブでいられるわけもなく、「危機感」というネガティブシンキングが支えになりました。

おわりに

負けん気の強さや合格を確信する気持ちは大事ですが、誰もが強気になれるわけではありません。

誰よりも勉強して「量なら誰にも負けない!」など、何かしらやり遂げれば自信に繋がります。それか、自分よりできなさそうな人を9人探す(上位10%が合格なので)。

それでも合格を保証するものではありません。

たとえ思う結果を出せなくても、合格できなかった現実ばかりを見ずに志を高く持って闘っている自分を誇って欲しいと思います。

闘う心があれば、負けはしません。

受験時代は「これだけ頑張ってるんだから、税理士になった時のオレは絶対かっこいい。そんな、かっこいいオレなんだからその時は絶対モテる!」などとも思っていたものです。

まぁ、その願いは見事に打ち砕かれましたが…。