開業3年目から消費税を納めるの?
先日、お気に入りのカレー屋さんで食事をしていたらタイトルのような質問を受けました。
開業から2年間は消費税を納めなくて良いという解釈が一般的なので、じゃあその後は納めるの?ということです。
なぜ開業から2年間は消費税を納めなくて良いのか?
消費税を納める義務があるかどうかは「基準期間の課税売上高および特定期間の課税売上高等が1,000万円を超えるか否か」で判定します。ハイ、いきなり漢字だらけで分かりませんw
「基準期間」とは、個人事業者の場合は前々年。つまり、今年は令和4年なのでその基準期間は令和2年です。で、法人の場合は前々事業年度。例えば3月決算の法人の場合の今年度(令和4年4月1日〜令和5年3月31日)の基準期間は、令和2年4月1日〜令和3年3月31日です。
この間の課税売上高(税抜売上)が1,000万円以下ならば、消費税を納める義務はありません。
消費税を納める義務があるか否かは、簡単に言うと「一昨年」を見て決まります。
つまり、開業1年目と2年目には「一昨年」が存在しません。3年目に入ってやっと「一昨年」の実績が出ます。開業から2年間は、消費税を納める義務があるかどうかの判定がそもそもできないわけです。そのため、いわゆる「開業から2年間は消費税を納めなくて良い」という話になるわけです。
商売が好調で、初年度から1,000万円超の売上を叩き出した!という場合は3年目の確定申告から消費税も申告&納税をすることになります。
初年度だから1,000万円なんて売れてないよ…という場合は3年目も免税のままです。
ただ、例外もある。
例えば、とある個人事業者の開業初年度(令和2年)の売上は1,000万円以下でした。
それでも頑張ってたら大口の取引先と契約が取れて、令和3年は半年間(1/1〜6/30)で売上が1,000万円突破しました!
やったね!頑張ったじゃん!と、喜ばしいのですが、このような場合は翌年(令和4年)は消費税の申告・納税をしなければなりません。
なんでだよ?一昨年は売上1,000万円以下だったじゃないか!
と思うでしょう。ところが、この場合、令和3年1/1〜6/30の期間を「特定期間」と言って、この半年間で売上が1,000万円を超えたら、翌年から消費税を納めなければならないのです。
税金取る側はきっちりしてやがります。
おわりに
消費税は選択をひとつ間違えただけで納める額がウン十万単位で変わることもある、実は恐ろしい税です。
単純に「2年間は無税」とか「法人成りしたらまた2年間無税」という上辺だけの情報で満足するのはけっこう危ないです。