全力+本気のパワーを出す方法
9月から来年の税理士試験の講座が始まって4ヶ月。年の瀬も迫り、まずはひと段落といった時期です。
そういった時期的なことがあってか、チョット息切れしている受験生からアドバイスを求められました。
「正しい努力」というのは僕も最後まで分からず終いでしたので参考になったかは謎ですが。
なのでとりあえず勉強して頭の中に叩き込むしかなかったわけです。
それで不合格だった時は「まだ足りない」と。不合格通知を受け取った後は次の試験の当日まで「これでもか!これでもか!」と。それでも合格に達しなくて、さらにもう一丁「これでもか!」を積み上げたものです。
合格に喜んでる人を悔しさ100%の横目で見ながら「いつか絶対アイツより稼げる税理士になってやる」と、話したこともない人を勝手にロックオンして敵対心に近い対抗心の炎を燃やしてパワーにしていました(大原で実際にあった事件で、人の電卓をボンドで固めるなどというのがありましたが、人に嫌がらせをするのは論外です。人間終わってます)。
そうやって他人と比べて、無条件降伏の状態から一矢報いてやろう、下剋上してやろうってのはモチベーションにもなりますし勉強が苦痛じゃなくなります。
「他人と比べない、自分は自分」という風潮がありますが、競争試験である税理士試験は勝てば官軍の世界。周りと比べられてデキる人には打ちのめされて、そうでない人を見ては安心して心を保っていくしかありません。
そもそも、合格者に嫉妬するという感情は、今だから言えますが自分の努力の足りなさや自信の無さに気付いてしまったということの証拠で、結果が出ていないということはその合格者の努力に及んでいないのだと自覚しなければなりません。
もうじき合格発表ですが、この時期は現実を突き付けられるので本当に嫌です。
合格者がキラキラしてて、そんな眩しいものを見るのは苦痛でしかありません。
でも、先に述べた内に秘めた復讐心だったり、税理士になった後の明るいビジョンだったり、理由は何であれ本気で向かい合う姿勢が転ばぬ先の杖となります。
たとえ今は合格には遠くても、目の前の一問に集中していればそんな苦痛は昇華できます。
それが全力、本気の原動力となって、それが積み重なって合格を手繰り寄せるわけです。
全力を出したい、もっと頑張りたいと思うなら、ゴールを「合格」ではなくて「税理士になってどうするか」にして、税理士たる自分像を明確にすることです。
「そうだ、京都行こう!」だけで京都に行っても駅から出てどうしよう?と立ち止まってしまいます。その先を決めていないので。行き先や宿泊先、やることを決めて行けば迷わず時間を無駄にすることはありません。
受験も同じです。
とにかく早く合格することに囚われ過ぎて一度に多科目に手を出して共倒れになったり、とにかくテクニックを追い求めたり、効率を意識するあまり「それってどうなの?」と感じる受験生がいますが、税理士試験にショートカットはありません(大学院をショートカットと思う人が多くいますが、入試や単位を取るための勉強、そして何より修士論文…ガチで甘くない世界です。修士論文が通らず落ちる人もいますし)。
自分がそうだったのですが、「正しい努力」というのをテクニック的なものだと勘違いして謎のショートカットを求めていた時期がありました。
要領よく見える人は地頭が良い人で、そんな人のマネをしても無理です。花巻東の屈強なメンバー全員が大谷翔平選手みたくなれるわけが無いように。
いともたやすく結果を出しているように見えても、見えない所で頑張っていたから結果を出せたのであって、少しでもラクをしようとか怠け心があろうものなら一瞬でやられます。
あと、自分は努力してるぞと思っている状況。そういう時ほど、言うほど努力していません。
本当に努力している人というのはまさに一心不乱で「努力してます!」なんて感情は湧きません。
僕が合格できた時はどれもこれも自信なんか全く無くて、「え?アレで合格?」と意外に思ったものばかりです(力を出し切った!という実感はありましたが)。
税理士試験は根性論の世界です。
全力、本気を出したいのなら日頃から自分を追い込むしかありません。
追い込んだ時間は裏切りません。
僕は試験前1ヶ月は一年分の有給休暇を全て使って朝9時〜夜9時まで大学院の研究室で勉強していました(週1〜2日出勤しましたが)。
2時間の総合問題を3つ、1ヶ月あれば100近くに及びます。ハイレベルの直前答練を全て90点以上取れるようになるまで解き直した受験生は他に何人いたでしょうか。
それくらいやっていたものです。
理論暗記も試験前夜には緊張感で胃をやられていて起きていられない状況にありながらも、ベッドに横たわりながらA〜Bランクを全て回せるほどにもなっていました。
そこまで追い込んだ結果、試験中にゾーンに入って書くべき理論が答案用紙に浮かび上がって見えてきたほどです。
これはあくまで僕の体験で、中には「適当にやったけど受かった」という猛者もいますが、地頭の悪い人間はこうでもしないと受からんということです…。
希望でも野望でも妄想でも良いから明確なビジョンを持つ。怒りや妬み嫉みを力に変える。そうすると全力、本気が出てくるものです。