やってくれない人をどうするか

法人でも個人でも事業を営んでいると年に一度、決算(確定申告)という作業があるわけですが、そこで力をお貸しして対価としてお金を頂戴する。それが税理士の仕事です。ところが、時に申告ができないことがあります。

何度も要求しているのに資料を揃えてくれない。

という場合です。資料がなければ申告書は作れません。決算ができません。

ほとんどの人が経理担当を置いて日々記帳をしてくれているのですが、ときに何もやらない人がいることもあります。

「すぐやります!」「◯◯までにそろえます!」と約束をするのですが、再度連絡すると「まだやってません…」と。これを延々と繰り返して申告月。1ヶ月もやっていません。と。

追加料金で記帳代行をすることにしても領収書がてんでばらばら。

こんな状況だとどうなるか?

納税者側には100%デメリットしかありません。

税理士はその人だけがお客様ではないので、他にも仕事をしています。そんな中で申告期限1ヶ月で一年分の領収書がドサっと来るわけです。

今ならコロナ特例で先延ばし…と言っても明らかに趣旨と違います。コロナ前はとりあえず期限内申告をして後から修正申告をする。ということもありました。

ただ、罰金の税金が上乗せされます。

普段は「節税!節税!」と言いながら、ちゃんとしていれば払わなくて済んだ余計な税金を払うのは本末転倒です。

また、こういった日頃から経理をしていないケースではえてして現金管理ができていません。

会社のお金とプライベートのお金がごっちゃになっていたり、会社の通帳のお金を私的に使ったり。

後から問い詰めるとそういうことをしていたりします。

このような状況下で作成する決算書に信憑性はありません。

例えば会社のお金を社長が私的に使い込んでいて、それを社長への貸付金とした場合、銀行がそんな決算書を見てお金を貸してくれるでしょうか?

「事業用資金として貸したのに…なんでプライベートに使ってんの⁉︎」などということになったら、そんな人にはお金を貸しません。

お金は借りられないわ、無駄な税金は増えるわ…良い事はありません。

また、度が過ぎた杜撰な人とは税理士も付き合いたがりません。トラブルの元なので。やってくれたとしても追加料金を取られるのがオチです。

会社を経営する、自身で事業を行なう、そういう人は当然にお金の管理を自分でしなければいけません。

当たり前なのですが…それをやらない人もいます。

手元現金すら合わせられないようでは黒字にはなりません。

黒字にならないということはお金がダダ漏れになっているということで、いずれ枯渇します。そのような時に銀行から融資も受けられないとなると座して死を待つのみ。ということになります。

今となっては簿記の知識がなくても帳簿をつけられるクラウド会計ソフトが充実しています。カードや通帳を連携させてしまえば入力の手間も省けます。

何度言ってもお分かり頂けない場合でも毅然と厳しく臨みましょう。ここで下手にサービスしたり優しさを見せてしまうとこちらが翌年も同じ思いをすることになってしまいます。

当事務所の場合は契約書に無い手間や期限が迫っている状態での依頼については追加料金を設定しています。そうすることでお客様に「余計な出費」を示してちゃんとしていただくよう促す。といった具合です。

実際には9割以上のお客様がきちんと経理をしてくれていますが、今期は立て続けにそういう案件に出会すので…。

トラブルにならないよう、厳しくすべき所は厳しくしておく。なんでもかんでも「お客様は神様」では体がもちませんのて。