独立したら客を選ぶ自由がある

独立したばかりの時に心の支えになった一冊。

人間だれしも好き嫌い、合う合わないがあります。

オリコン1位の歌が好みでない人もいれば、路地ライブをしている若者の歌に涙する人もいます。

行列ができるラーメン屋よりも場末の町中華のチャーシューメンが好きな人もいます。

税理士だってそうかなと。

サービスのクオリティで評価されるのは当然のことですが、それ以外にも人柄とか雰囲気で決まる部分もあると思います。

例えば、味はイマイチだけど店主が好きなんだよなぁとか、値段は他より高いけどあの人から買いたいんだよなぁとか。僕の場合はそれです。サービス<人柄で店を選びます。

お客様は神様ではなく人間。

僕はそのように考えます。

や、むしろ神様だというなら神様らしくしてくださいよと(そっか、疫病神なのか…。と思いたくなることもあった)。

先日、知らない人から月次支援金の確認をやって欲しいという問い合わせがきました。

ホームページのメールフォームからではなかったので、どこから僕のアドレスを知ったのかは謎ですが。確認機関の一覧で個人情報が暴露されているので、たぶんそこかなとは思いますが、数多ある確認機関の中でたまたま選ばれることなんてあるのかなぁと。

個人的な事情があって月次支援金がらみの業務は関与先に限らせていただいているのですが、今回お断りしたのはそれ以外にも理由がありました。

礼儀がなっとらん。けしからん。

昭和人間なのでココ、うるさいです。悪しからず。

のっけから「金とるか?」という質問。

確認作業はお国から一件あたり1,000円もらえるので金を取るなというのがあります(1,000円で誰がやるかよ)。

商売は基本的に安さを求めてくる人は相手にしない方が良い。

安くやるということはそれなりにコストダウンしたりするのでクオリティは低くなるし安いなりの扱いになります。それにも関わらずそういう人はちゃんとお金を払ってくれるお客さんと同レベルのクオリティを求めてきます。

今回引き受けてたとしても、月次支援金の締切に間に合うように催促してきたことでしょう。

僕以外にも税理士は14万人いるので他を当たってもらった方がお互いのためです。

良い仕事をしてもらう工作をして損は無い。

人にものを頼むときはおだててヘコヘコしておくと良いものです。処世術です。

僕の持論・流儀ですが、誰かに何かをお願いする時は必ず「お忙しいところを恐れ入ります」「お尋ねしたいことがございます」などという言葉を先に入れます。友達に対してもそうです(言葉は砕けていますが)。

同じサービスを提供するにしても、感じの良い客とそうでない客とでは提供する側にテンションの差があるでしょう。人間なので。

様々な現場で聞く話ですが、嫌な(面倒な)客に対しては請求金額を高くする。というあるあるがあります。先日もバイク屋さんで店長さんが厄介な客が出てった後で「あの金額は迷惑料も込みだよ!」と言っていました。

そういうものです。人間だもの。

僕もこれまで何回かそういう思いをしたことがあります。迷惑料を取る以前に断っていますが。

今回もメールで問い合わせが来て、いきなり依頼内容と金を取るかの話。

礼儀は僕の地雷源です。

それでも税理士らしく(?)確認機関を検索できるURLとか、金融機関だとお金かからないよとか、ある程度情報も提供しました。断る以上はこの人が困らないようにと思って。

そしたら「ありがとうございました」の一行で終わり。。

きっと物の価値が分からない人だったのだろうと言い聞かせ、安易に受けなくて良かった、自分の軸をぶれさせず貫いて良かった、改めてそう思った次第です。

おわりに

「客を選ぶ」という姿勢について「何様だ!」とご指摘を受けたことがありました。

でも、人を雇わず、雇われず、ひとりで商売しているので稼ぐも稼がないも自己責任、自由です。

限りあるキャパシティはちゃんとお客様のために使いたいので、来るもの拒まず、千客万来というわけにもいきません。

お互いがwin winとなれるような関係でありたいと思っています。

商売っ気あるのか⁉︎と思われることもありますが、ウチは「お忙しいところを恐れ入ります」を言えばあっさり扉が開きます(営業を除く)。

意外とユルい事務所です。