税理士の平均年齢は69歳
先日、税理士の定例会で聞いてびっくりしました。
「税理士の平均年齢は60代」というのは知っていましたが、静岡支部は69歳だといいます。
今や税理士は人気のない資格
僕が税理士を目指した頃は「金持ちになれる」「ちやほやされる」そんな話を鵜呑みに信じて不純な動機でこの世界に飛び込んだものです。
実際にボスは豪遊していましたし、当時大原に教えに来ていた税理士先生も40代ながら高級車をポンポン乗り換えていたのも見てきました。
なので僕も「いつかはコルベット」と「いつかはハーレー」を今も心に秘めているのですが…。
今は当時とずいぶん変わったようです。
年々受験者数が減っていて、大原の簿記論の講義も席がガラガラ。以前、若い子から聞いたことです。
- 税理士にならなくても仕事がある
- コスパが悪過ぎる
- 会計事務所が嫌
- AIに仕事を奪われる
確かにもれなく激しく同意です。
今はどの業界も人手不足なので、社会人になってまで受験生やる必要もないでしょう。
選んだ会計事務所が謎の体育会系(大声で挨拶させられる)、薄給で残業(土曜日も出勤)、学費がかかる上に合格が大変、AIが発達したら仕事を奪われるランキングがトップクラス…といったところです。
税理士になれて良かったと思うけど?
税理士のイメージ、税理士事務所のイメージがあまりよろしくないのは僕もよく分かるのですが、それ以上に税理士になって良かったなと思っています。
「独立」の条件付きですが。
雇われの頃は完全なるヒエラルキーで、身内で固まっていたのもあって税理士になっても発言権がありませんでした。僕の入社後15年間、後輩が入ってくることがなかったので。
そんな反動から独立以外の選択肢が無かったのですが、周りからは「こんな時代によく独立するねぇ」「怖くないの?」と心配されたものです。
「心配」の種はつまるところ「お金」です。食べていければ心配ありません。
コルベットとハーレーはまだ先になりますが、独立したら理不尽な命令なんかもありません(時にセルフブラックはありますが)。ひとり税理士なら部下のことを心配することもありません。
「全て自己責任」になりますが、それもひっくるめて自由です。
もしもそれで仕事を失ったら、その時は税理士としてどこぞの会計事務所に拾ってもらえば良いでしょう。
AIに仕事を奪われるのではなく奪って欲しい(記帳代行とか領収証丸投げ、給与計算…)、IT化でいちいち毎月資料を受け取りに行かなくてもいい、職場が紙で溢れることもない、新しい技術は大歓迎です。
こういうのは平均年齢69歳の世界ではなかなか進まないでしょう。
僕よりも若い開業税理士で完全IT化でペーパーレス、FAXレス、非対面(zoom等)ができているという人が何人もいます。
効率化できれば時間を有効利用できて、お客さん都合で夜中に資料を受け取りに行くなどという蛮行もせずに済みます(雇われ人だったら問答無用で残業するのが「普通」になることも)。
稼ぐも稼がないも、遊ぶも遊ばないも、独立したら自由。自分次第。雇われてたってその会社が老後まであるとは限らない。役職定年後の収入の急落や定年後の細々としたバイト生活…それよりは今から自分の収入源を構築してお金を生み出す力を身に付ける。
そんなサバイバルな生き方が僕は好きです。