時間と仕事とお金の関係
今日はこのタイトルについて思ったことを書いてみます。あくまで自論です。
僕たち税理士は大きく分けて①毎月定額の報酬と②年一回のスポット報酬があります。
とくに今回は①について。
多くの会計事務所が毎月の顧問料+決算手数料でお代を頂いていることと思います(その他年末調整や労働保険申告なども別途)。
それ以外にイレギュラーな案件や手間がかかれば決算手数料で調整。といった具合かと。
月額定額のみという訳にはいかない
以前、「前の事務所がそうだったから」という理由で月額3万円×12ヶ月=36万円でその会社の決算や年末調整、労働保険に算定基礎届、社長個人の不動産と株の申告、自社株算定…と全てをやるという所がありました。こちらからお断りさせて頂きましたが。
例えば、サラリーマンで基本給30万円。賞与(決算手数料)も残業代も通勤手当も無し。という職場を想像してみてください。
それで定時で帰れなかったら…モチベーションは保てないでしょう。その職場に好きな子がいる、雰囲気がすごく良い、ここを辞めたら後が無い…など自分の心を満たす何かがなければ続きませんし「給料なりの仕事」しかやりたくありません。仕事のクオリティが下がります。
税理士だって同じだよ?と。
同じ国家資格者でも医者が相手なら言われるがままに支払います。
美容院に行けばカットのほかにカラーやヘッドスパを希望すればその分多く払います。
何で税理士だけ「無料の範囲でやってよ」「なるべく安くやってよ」なのでしょうか?
目に見えないし理解されない仕事
税理士の仕事は医者のように体の健康の変化だとか美容師のように毎日見る自分の顔(髪)の変化と違って、数字やグラフで示されるだけです。しかも素人にはよく分からない書類がいっぱいで。
それをいかに丁寧にお伝えするか、いかに日頃から親身に応対するか、節税するか、資金調達するか、そういった努力で示すしかありません。
最後に納付すべき税額を伝えられて「税金高いなぁ」と渋い顔に変わるわけですが、その税金が過度な納付にならないよう、手を尽くした(働いた)末の成果物なのです。
おわりに
税理士は時間単価1時間とよく耳にします。
事務所によっては単発の案件の場合にはタイムチャージとして請求したり、税務調査の立会も日当を請求します。
そうして働いている。その人のためだけに限りある人生のいくばくかの時間を消費しているので。
もちろん、契約書を交わして月額顧問料の範囲は明確にしておりますが、それでも「前の税理士はこうだった」と言われるあるあるがあります。
ただ、「前の税理士はこうだった」はお客さん側も会計事務所職員も禁句と思っておいた方が無難でしょう。おそらくどの税理士に対してもこれを言って悪くはなっても良くなることはほとんど無いので。