試算表を操作しない
コロナによるセーフティネットの借入に希望者が殺到しています。
細かいことは割愛しますが、最近1ヶ月の売上が前年の同月よりも一定以上落ち込んだなどの要件を満たすと3年間は実質無金利で借りられるというものです。
この「無金利」で借りられることに目をつけて、特に困っていなくても借りてしまおうと考える人がいるようです。
銀行員がそそのかす場合もある
要件を満たすよう、すでに計上した売上を先延ばしに(仕訳の日付を先の日付にする)するそうです。
決算をまたがないので適正な売上で適正な税金を納めるので、申告書としては問題無いということです。
また、このように操作して借入をすることを銀行員が「チャンスですよ!」と勧めてきたそうです。地元では影響力が絶大な地銀で成績優秀だそうで社長がすっかり信用し切ってしまって…いい迷惑です。
僕はいかなる理由があってもこういうことはしたくありません。
本来、困っている人を救済するための制度です。先の見通しが立たないので借りたい気持ちは分からなくもないですが、やはりルールは守るべきだと思います。
やらないことリストを作る
お客さんとのパワーバランス(顧問料が高いなど)で要求を押し通してくる社長もいます。契約解除されるのが怖くて「仕方ないなぁ…」となりそうな時もあります。
しかし、ルール違反を手伝って万一営業停止に追い込まれたとしても、この社長もそそのかした銀行員も責任を取ってくれるわけではありません。
苦労して歯を食いしばって手に入れた税理士の資格をこんなことで汚さないように、気持ちがブレないように、「やらないことリスト」を常に目に見えるところに置いて、毎日必ず目を通す。
そうすることでこのような突然の依頼にも勢いで押されることなく毅然とできます。
たとえ大口を失うことになっても、税理士として活動できなくなるよりましです。
特に新米税理士のうちはいろんな要求や誘い、斡旋が来ます。
自分の軸をしっかりさせてずっしり構えられるよう、「やらないことリスト」は大事だなぁと改めて痛感しました。