合格発表の日
どうやら今日が令和元年の税理士試験の合格発表の日のようです。
合格された方についてはここではあえて触れません(周囲からたくさんお祝いされているでしょうし、このブログは簿記論に16年もかかったポンコツが書いているので)。
やれどもやれども報われなかった8年間
僕が簿記論に合格できたのは、所得税に合格してから8年後でした。
そもそも、最初の合格が財務諸表論で、3年かかりました。
その前に簿記論一科目のみ2年やってたので、ここで5年を費やしています。
財務諸表論に合格した後、所得税の勉強を始めるのですが、所得税も3年かかりました。
ここまでで8年を費やしております。
この間、簿記論はずっと落ち続けています。
当時は地元に院免がある大学の存在を知らず、当たり前のように官報合格を目指していて、消費税を3年、国税徴収法を4年(試験を受けなかった年があったため)簿記論と並行して受験してました。
悔しさをバネに・・・なんてならない!
僕の中で簿記論は税理士試験の序の口。
簿記論に合格できずして税理士になれるか!という感覚を持ち続けていました。
大原で学内1位、全統でも上位一ケタ%の順位。
なのに本番で合格しない・・・。
これでもか!これでもか!と、まさしく「死にもの狂い」でやっていたつもりでしたが、なかなか結果に結びつきませんでした。
1年、365日の努力がたった2時間で決まってしまうのが税理士試験。
不合格通知を受け取った日も自習室でいつもと変わらず勉強していましたが、時折聞こえてくる合格を喜ぶ声を悔しさ100%で聞いていました。
「一度もランクに載ってなかったあいつがなんで?」
「あいつが合格するのに何で僕が落ちるんだ?」
そんなことばかり考えていました。
職場でも「いつまでかかるんだ?」
お客さんには「ああ、やっぱ落ちたんだね」
友達にも「お前、向いてないよ」
結婚を約束していた当時の彼女には「あんたの事を考えて将来不安になるのがイヤ」と、逃げられる始末。
そんな扱いです。税理士試験は100%勝てば官軍の世界です。
学内では1位だったんです!落ちたけど・・・は当然、通用しません。
税理士試験は根性論でしかない
と、僕は考えます。
この時期に専門学校から発行される「合格者の声」みたいのがありますが、そこに書かれている合格者の声の大半が「根性」と一言。あとは周りへの感謝の言葉です。
もっと具体的なこと書いてくれよ・・・と当時は思いましたが、やっぱり根性でしかありません。
合格者と比較しない(なるべく)
なるべくというのは、どうしても比較してしまうからです。
でも、あいつが受かって自分が落ちた現実が目の前にあります。
1年間あんなに頑張ったのに報われなかった現実があります。
卑屈になって他人に優しく接する気など失せます。
自分がイヤな人間になります。
でも、それが現実です。
今年は負け犬になりました。
去年に引き続き負け犬でした。
気付いたら20代~30代が税理士試験で終わっていました。
もう若いころのような体力はありません。
自分より点数が低かったあいつが、頑張ってる自分よりヘラヘラしてたあいつが、「前祝い」などと称して本試験の数日前に風俗に行ってたあいつが合格して、僕は落ちました。
でも、それが現実です。
合格者と自分を比べてしまうと自分がイヤになるだけだし、ムカつきます。
そんな時、僕はオリンピック選手と比べました(ありきたりかもしれませんが)。
たとえば、昨日・今日とニュースで話題になっている卓球女子の最後の1枠を争った平野美宇選手と石川佳純選手です。
結果は石川選手が最後の1枠を掴んだのですが、平野選手は「3年間頑張ってきたことが足りなかった」と号泣していました。
前回のリオ五輪でもあと一歩及ばず補欠だった平野選手。
10代でありながら国内では屈指の実力を持つ努力家です。
幼少の頃から猛烈な努力をしていた映像が流れています。
それでも平野選手がシングルでオリンピックに出られるのは最速で4年後です。
税理士試験は来年、また受けられます。
子どもの頃から勉強していた訳ではありません。
平野選手がオリンピアンになるまでに4回も受験できます。
その頃にはきっと僕は税理士になっていて、受験生活から解放されて、稼ぎも増えてオリンピック観戦に行くんだ!
そんなふうに本気で考えていました(具体的にはセリエAの観戦ですが)。
上には上がいるし、下にも下がいる。同等はもっといる。
だとしたら上を見てひっぱり上げてもらいましょう。
僕は高みを目指している人を見て思ったことは「闘う心があれば負けはしない!」です。
この言葉自体は戦国無双というゲームの真田幸村の決めセリフなのですが、良く言ったものだなぁと。
「勝てる!」と言い切る自信などとっくに失せていましたが、「負けはしない!」というフレーズに力をもらったものです(今でも座右の銘にしています)。
どんなに落ちても、自分と毎日がイヤになっても「じゃあやめれば?」という言葉には強くNo!と言ってきました。
闘う心は持っていました。
常々出直しの根性で
不合格を重ね続け、最後には学内で1位を取っても「まぼろし~」と疑っていました。
自分の力が一番信用できなかったので。
落ちたその日から再び簿記論の個別問題集を開き、それ以前も合格を掴むまでは講座は申し込まずとも実判くらいのレベルは維持しようと週に1日は簿記論の2時間問題に触れるようにし、土曜日の朝の勉強会にも参加し続けました。
ジングルベルや除夜の鐘に耳を塞いで、正月休みも所長に頼んで事務所で勉強していました。
自分の実力を疑って、保険のための行動をとるようになってから合格へと繋がったように思います。
そしてなんといっても、闘う心があれば負けはしない!です。